洗車し始めるとなぜ雨が降る ビジネス法則は賢く使う第50回 マーフィーの法則

科学的に証明されたマーフィーの法則

だからといって、マーフィーの法則はいい加減なものばかりとは限りません。なかには科学的に立証された法則があり、ここで紹介しておきましょう。

「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」という法則があります。マーフィーの法則の中で最も有名なものとして知られています。

この法則を、英国の科学者R・マシューズは、普通の高さのテーブルから落下させる実験して、本当かどうかを確かめてみました。その結果、ほとんどのケースでバターを塗った面を下にして落ちることを証明してみせたのです。

同時に、バターを上にして着地させるには、高さ3メートル以上のテーブルが必要であることも発見しました。つまり、カーペットの値段ではなく、テーブルの高さが決め手になるのです。ちなみに、彼はこれらの功績により1996年にイグ・ノーべル賞を受賞しました。

先ほど紹介した「列に並ぶと隣の列が速く進む」というのも、交通科学の分野では真面目に研究されているテーマとなっています(T・ヴァンダービルト「となりの車線はなぜスイスイ進むのか?」早川書房)。他にも真剣に調べれば、科学的に立証できる法則があるかもしれません。お時間のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

愚者は経験に学び、賢者は法則に学ぶ

本連載では、今回を含めトータル50個のビジネス法則を紹介しました。5つのジャンルから、ビジネスとのかかわりが深い法則を満遍なく取り上げました。

(1)意思・判断:サンクコスト、アンカリング、一貫性の原理、プロスペクト理論など

(2)心理・感情:単純接触効果、メラビアンの法則、ハロー効果、ピグマリオン効果など

(3)選択・行動:カッチサー効果、返報性の原理、希少性の法則、マズローの法則など

(4)成功・学習:一万時間の法則、限界効用逓減則、バーナム効果、マーフィーの法則など

(5)組織・社会:バンドワゴン効果、パーキンソンの法則、ランチェスターの法則など

この中には、科学的に因果関係が証明されているものもあれば、今回ように経験則の域を出ないものもあります。今なお論争が続いていて、評価が確定してないものも混じっています。

しかしながら、ビジネスに活用するという意味では、すぐに役立つものを厳選してお届けしたつもりです。まずは、こういった法測の存在を知ることが活用への最初の一歩となります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。自分が経験できることはたかがしれており、いろんな人の経験が詰まった歴史から学ぶほうが、はるかに賢いやり方です。

それ以上に効率がよいのが法則を学ぶことです。そこには歴史(事例や現象)のエッセンスを凝縮してあるからです。ビジネス法則を上手に活用して、変化が激しい複雑な時代を、自分らしく生き抜いていく。本連載がその一助になったとしたら幸いです。では、またどこかで!

(おわり)

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

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