洗車し始めるとなぜ雨が降る ビジネス法則は賢く使う第50回 マーフィーの法則

一人で家にいると宅配便が届く?

1年にわたって続いたこのコラムもこれで最終回。まさに今、書斎にこもって感動のフィナーレ?を書いているところです。正午までに仕上げないと締め切りに間に合わず、ややあせりながら。

幸い、いつも家にいるはずの妻が外出中で、一人で原稿に集中できます。ところが、書きはじめたと思ったら、いきなり玄関のチャイムが鳴り、やむなく執筆を中断する羽目に。娘が注文した通販の品物が届いたのでした。なぜか、「一人で家にいると宅配便が届く」のです。

こんな日は要注意。プリントアウトして校正しなければなりませんが、「急いでいるとプリンターが紙詰まりを起こす」ことがよくあるからです。

しかも、強引に紙を取り出そうとして、事態を余計に悪化させてしまいます。部屋中マニュアルを探しまわり、それを見ながら給紙ユニットをはずして清掃する大工事になります。

皆さんも仕事や生活をする中で、こんな“あるある話”がたくさんあるのではないでしょうか。「マーフィーの法則」と呼ばれるものです。

ベストセラーとなったA・ブロック「マーフィーの法則」(アスキー)から、仕事に役立ちそうな、私のお気に入りベスト3を紹介してみましょう。

「失敗の可能性のあるものは失敗する」

「絶好のチャンスは最悪のタイミングでやってくる」

「いちど認めた例外は次からは当然の権利となる」

ユーモラスな “あるある話”の集大成

これらは今まで紹介してきたビジネス法則とは少し趣が違います。実験や統計などを使って検証された科学的な法則ではないからです。

日々の生活でよく起こること(多くは失敗)を経験則として短くまとめたものです。それを知ることで自分への戒めにしようというものです。まさに、「失敗の可能性があるものは失敗する」から、可能性の芽をできるだけつんでおこう、と。

実際には、「あるある」「うまい!」と笑えるだけで、科学的には怪しいものがたくさんあります。たとえば、こういうのはいかがでしょうか。

「洗車しはじめると雨が降る」

「いびきをかく者が最初に眠りにつく」

「列に並ぶと隣の列が速く進む」

「まさにその通り!」と思った方、記憶に残りやすい事例を一般化してしまう「代表性バイアス」にだまされているのをご存じですか。たとえば、3つ目の法則を証明するには、「洗車して雨が降った」「洗車して雨が降らなかった」「洗車しなくて雨が降った」「洗車しなくて雨が降らなかった」の4パターンで統計を取らないと、確かなことは言えないはず。名言や格言と呼ばれている経験則のなかにも、同様の怪しいものがたくさんあります。

もちろん、そんなことを言うのはやぼの極み。洗車しはじめて雨が降りだしたら、「やられた!マーフィーの法則だ」と笑って気持ちを立て直すのが、正しい使い方なんだと思います。

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