奇跡は月に1回起きる ビジネスの逆転劇呼ぶ確率感覚第48回 リトルウッドの法則

信じられない奇跡が逆転劇を生み出す

余命半年の重い病にかかった母親が、ある本を読んだことからスポーツができるまで回復した。10年以上も家庭内暴力で手が付けられなかった息子がペットの交通事故をきっかけに立ち直った。いずれも私の身近なところで本当に起こった出来事です。

長い人生の中では、八方塞がりでどうしようもない状態になることがあります。そんなときでも決してあきらめてはいけません。こんな奇跡があなたを救ってくれるかもしれないからです。

奇跡とは、通常では絶対に起こらない、とても珍しい出来事を意味します。そこに人智を越えた力を感じるほど、確率的に考えると、ほとんどありえない現象です。ところが意外にも、超レアケースであるはずの奇跡の話を耳にする機会が結構あります。

疑っている方は、NHKの「逆転人生」という番組をご覧ください。典型的な例を一つ紹介しましょう。

東日本大震災で壊滅的被害を受けた陸前高田のしょうゆ工場。200年受け継がれてきたもろみ(原材料)がすべて流され、元の味のしょうゆがつくれない、絶望的な状況にありました。

ところが、偶然にも、震災の直前に県の試験場が研究用にサンプルを持って帰っていて、被災した建物中にあった冷蔵庫の中で無傷で残っていました。そこから奇跡の逆転劇が始まるのでした。

そんな例が同番組ではたくさん紹介されており、諦めない限り神様は見はなさないと、私たちを勇気づけてくれます。偶然の力はばかにできないのです。

あなたの身の回りにも起こっている

こんな話をすると、「たしか世の中に奇跡があることは認めるが、凡人の私には起きるはずがない」と言う人がいます。そもそもそれが大間違い。奇跡とは、頻繁に起きる、とてもありふれた出来事なのです。

数学者のJ・E・リトルウッドは、奇跡がどれくらいの頻度で起きるものかを計算してみました。ここで言う奇跡とは「100万回に1度しか発生しない例外的な事象」を意味します。

彼の計算はこうです。人間が起きて活動をしていると、五感から情報を得たり、他の人とかかわったり、必ず何らかの事象が発生します。その頻度を1秒に1度と仮定します。

人間が一日8時間活動するものとすれば、約35日間で100万回の事象が発生する計算になります。すると、先ほどの定義を使えば、平均で35日間に一度は奇跡を体験することになります。

つまり、奇跡は1カ月に1回起きるほどの、ありふれた現象だと言えるわけです。これを彼の名をとって「リトルウッドの法則」と呼びます。

実際に、最近あなたの身の回りで何か奇跡に近いことは起きませんでしたか。この質問を、私の研修で自己紹介のネタとして取り上げると、まあ出るは出るは……。誰しも、信じられないような、不思議な物語を持っているようです。だからこそ人生は面白いのかもしれませんね。

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧