角膜の修復を促す「ビタミンA」の力[PR]ビタミンA点眼薬の開発者に聞く

ニンジンにも豊富なビタミンAは角膜修復の鍵を握る=PIXTA

パソコン作業やスマートフォンの長時間使用によって、現代人の角膜は乾燥し、ダメージを受けやすい状態にある。角膜には本来、傷を修復する機能が備わってるが、傷を放置したり、ドライアイの要因となる生活パターンが変わらないと修復が間に合わず、さまざまな目の不調に悩まされたり、傷から細菌やウイルスが侵入し、角膜感染症を引き起こすことも。この角膜の修復力に働きかける注目の成分が「ビタミンA」だ。日経ウェルエイジングプロジェクトの協賛企業でもあり、点眼薬にビタミンAを溶かし込み、角膜の細胞に浸透させる技術を長年研究し続けてきたライオン研究開発本部薬品研究所、主任研究員の奥村隆氏と研究員の渡邊圭祐氏に、点眼薬開発の詳細を聞いた。

傷つきやすい角膜 修復の鍵を握る「ビタミンA」

近年、パソコンやスマホの利用時間が世代を問わず増えている。特にスマホは、小さい画面を凝視することによって、パソコン作業よりも一層瞬きの回数が減り、ドライアイを引き起こしやすいことが問題視されている。眼科専門医101人を対象に調査した結果、6割以上の眼科医が、スマホが普及する10年前よりも、「角膜上皮障害を伴うドライアイ患者が増えた」と回答している(注1)

ドライアイでは、目の表面にある角膜を覆い保護する涙の量が減少したり、その質が低下したりすることによって目がゴロゴロする、痛い、といった不快症状をともなう。ドライアイ研究会は、ドライアイの定義として、「さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義している(注2)。その要因としては、前述したパソコンやスマホなどのVDT作業のほか、長時間のコンタクトレンズの装用、加齢による涙の分泌量の減少、涙に油分を供給するマイボーム腺の詰まりなどが挙げられる。

たかが乾燥、と軽くみないほうがいい。ドライアイを放置すると、角膜上皮が損傷し、さらに悪化すると、失明にもつながる角膜感染症の要因になることもある。

仕事ではパソコンを使い、休憩時間にはスマホを眺める、といった習慣をなかなか手放せない人こそ、角膜を守るためのケアをしっかり意識したほうがいい。

※注1「ライオン・スマホ時代の角膜上皮障害実態調査」2019

※注2「日本のドライアイの定義と診断基準の改定」ドライアイ研究会2016

ライオン研究開発本部薬品研究所の主任研究員である奥村隆氏は、「人の体が作られた発生学の視点から見ると、角膜は皮膚と同じ外胚葉に由来します」と指摘する。皮膚と同様、つねに外側に露出した部分であるため、皮膚に保湿が必要であるのと同じように、涙で潤うことによってその機能が維持されている。「ところが現代人の角膜は、その生活スタイルによって乾燥リスクが高く、傷つきやすい状態になっています。現代人が感じている慢性的な疲れは、目の乾きによるところが多いのではないかと考えています」と奥村氏は言う。

角膜を修復する成分として、奥村氏らが着目してきたのが、ビタミンAだ。

ライオン研究開発本部薬品研究所の奥村隆・主任研究員(左)と渡邊圭祐・研究員

ビタミンAは、食事からとる量が欠乏すると夜盲症(暗いところで視力が低下する)を引き起こすことで知られる成分。これは、ビタミンAが体内でレチノールに変換され、目の網膜でロドプシンという成分になり、光の感受性を高める役割を果たしていることによる。

それだけでなく、角膜上皮においてもビタミンAは大切な役割を担っている。

食事でとったビタミンAは、腸から吸収されたあと、レチノールに変換され、肝臓に貯蔵される。「その後、血液によって運ばれ、涙腺や血管を介して角膜の栄養となります。ビタミンAが不足すると、角膜が乾燥し、ドライアイ症状が生じることが報告されています。また、私たちは、動物をビタミンA欠乏状態で飼育すると、角膜上皮に障害が起こり、ドライアイと同じ状態になることを確認しました。つまり、目にとってビタミンAは有益かつ必須の成分といえるのです」(奥村氏)

なお、レチノールは肌の修復力を高め、深く刻まれたしわを改善する働きが美容分野で注目されている成分でもある。

独自の技術でビタミンAの製剤化に取り組む

損傷リスクの高い角膜上皮を修復するために、ビタミンA点眼薬開発を、という命題のもと、ライオンは、1994年にビタミンA配合点眼薬を製品化。その後、25年以上、ビタミンAの点眼薬配合技術を高めてきたという。その結果、確立したのが以下の2つの技術だ。

1 水にビタミンAを安定的に溶かし込む技術

まず、水である点眼液に、脂溶性成分であるビタミンAを溶かし込む技術だ。

ビタミンAは水に溶けにくく、そのままでは脂が浮いたような状態になってしまう。また、ビタミンAには酸素や光、熱によって分解しやすい性質もある。「点眼薬としてビタミンAの有効性を発揮し、かつ、品質を保つには、水溶液中に安定的に配合する必要があります。そこで、当社が長年蓄積してきた界面活性剤の特許技術によって、ビタミンAを微粒子として点眼液中に均一に分散させることに成功しました」(奥村氏)

2 ビタミンAを角膜上皮細胞に浸透させる技術

もう一つ、ビタミンAの効果を高める処方として開発したのが「ビタミンA浸透処方」という技術だ。

細胞膜を通過し、角膜上皮細胞にまでビタミンAがしっかりと到達するよう、細胞膜となじみやすいEOPO(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)という界面活性剤を採用。「ビタミンAに、このEOPOを合わせると、ビタミンAの周囲をEOPOが取り囲んだ状態になります。点眼すると、角膜上皮細胞にEOPOが積極的に働きかけ、ビタミンAが細胞内に到達しやすくなることを証明しました」と、奥村氏(画像)。

このように、溶けにくいビタミンAを微粒子として均一に配合し、さらには、点眼した際に角膜上皮細胞に浸透しやすくする技術の確立に成功。「厚生労働省が一般用眼科薬に含む量として定めた基準内最大量の、ビタミンA5万単位(100mlあたり)の配合に成功しました。浸透性が高いため、配合したビタミンAの効果がより無駄なく発揮されると考えています」(奥村氏)

ビタミンAを蛍光色素で標識し、ヒト角膜細胞への浸透性を調べた。従来の界面活性剤HCO(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)を使用したもの(左)よりも、EOPO(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)を採用したもの(右)のほうが、pVA(ビタミンA)由来の蛍光が強く、より多くのビタミンAが角膜上皮細胞中に浸透した(画像提供:ライオン研究開発本部薬品研究所)

臨床試験でドライアイ患者の角膜修復効果を確認

点眼薬の開発を進めてきた25年と同時並行して、研究所ではその薬理作用に関する研究も、1996年より蓄積してきた。

試験管内の培養試験からスタートし、動物におけるビタミンA点眼効果の検証を終え、2015年に、ドライアイ患者66人を対象に「ビタミンA5万単位配合(100mlあたり)点眼薬」を点眼することによるドライアイ改善効果を検証。「目の最も表面にある角膜上皮細胞は涙によって覆われています。しかし、ドライアイ患者の角膜上皮細胞は、損傷したり、涙を安定的につなぎとめるムチンという粘性物質が減少し、ムチン層が欠損した状態になっています」(奥村氏)

そこで、ドライアイ患者に対して、ビタミンA配合点眼薬と、ビタミンAを含まない点眼薬を4週間点眼する臨床試験を行い、角膜上皮細胞の損傷状態やムチン層が欠損した状態を観察した。「被験者は長年ドライアイで悩まれている患者さんで、角膜の修復力も衰え、日常的に角膜が傷つきやすい環境にあることが推測されていました。ビタミンAを補うことによって効果が得られるかどうかは、未知数でした」と奥村氏。

その結果、ビタミンA点眼薬を用いた群は、含まれてない点眼薬を用いた対照群と比較して、ムチン層が欠損した部分が2、4週間で有意に改善。角膜上皮細胞の損傷部位も減少傾向が見られた。「なお、ビタミンA配合群の33人中8人は試験期間中に角膜の傷が全快しました。対照群でも1人が全快しましたが、こちらは潤いを補った結果によると考えられます」(奥村氏)

順天堂大学医学部附属静岡病院眼科の土至田宏医師らと行ったこの研究の成果は、医学雑誌「Drug Design, Development and Therapy」に発表済みだ(注3)。

ビタミンAの効果のメカニズムについて、研究員の渡邊氏は「角膜上皮細胞には、傷の修復を促すヒアルロン酸を作り出す働きがあります。また、結膜にある杯細胞には、ムチンを作り出し、涙の中に供給し、涙を安定化する働きがあります。ビタミンAがそれぞれの細胞に到達することによって、角膜上皮細胞や結膜が有するこれらの働きを高めたと考えています」と話す。

※注3 Drug Des Devel Ther. 2017 Jun 23;11:1871-1879.

最後に、奥村氏に点眼薬で角膜ケアをするタイミングについてアドバイスをもらった。「これからの冬の季節は、空気の乾燥やエアコン環境によってますます目が乾燥しやすくなります。目の不快感や疲れは放置せず、ぜひ積極的に角膜ケアを始めてください」

角膜ケアのタイミング
1 起床時の点眼で気持ち良く一日をスタート
寝ている間は涙液交換が行われず、目が乾燥した状態に。また、朝は涙の分泌が十分でなく、目が乾きがちになり目を開けにくい場合も。起床時に点眼をして潤い補給をすると、目の不快感も改善し、元気に一日をスタートできる。
2 昼休みや夕方、目の疲れを感じたときに
VDT作業やスマホの凝視によって日中は目の疲れが蓄積する。また、仕事などで緊張して交感神経が優位になると、涙の分泌が減少する。目の疲れを感じたらこまめに休憩時間をとるとともに、点眼をして角膜をケアしよう。
3 寝る前に点眼で、修復を高める
眠っている夜間は角膜修復の絶好のタイミング。就寝前の点眼を毎日の習慣にしたい。

日経ウェルエイジングプロジェクトは、ライオン、SMBC日興証券、アクサ生命保険の協賛で運営しています

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