その行為は大丈夫? 携帯・スマホ心がけたいこと
携帯電話やスマートフォン(スマホ)の使い方で、心がけたいことは何だろう。守りたいルールやマナーをネット調査で聞いたところ、使い過ぎないための工夫や周囲への心配りが多く挙がった。
「ペースメーカーなどの医療機器を使う方にも安心して乗車してもらいたいのでお願いしている」(JR東日本)
人とぶつかる危険があり、ふらついて駅のホームから転落する事故も起きている。目にも良くない
画面が明るいので電気を消した部屋で見続ける人が多いが、疲れ目の原因にもなる
混雑した車内でスマホに熱中していると、気づかないうちに乗り降りの邪魔になっていることもある
SNSに夢中になって寝不足になる人も。画面から出る光が睡眠に影響するという指摘もある
11位 紛失した場合どうすればいいか、確認しておく
13位 駅のホームや交差点など、人の流れを妨げる場所で使わない
14位 自宅で食事中は通話だけでなく、操作もしない
15位 週に1度、電源を入れない日をつくる
便利だけど…時には迷惑
調査会社GfKジャパン(東京都中野区)によると、2009年下半期の携帯電話販売台数のうちスマホの占める割合は5%だったが、12年下半期は7割を超えた。MM総研(東京都港区)の12年9月の調査では、通話とメールが多い従来の携帯に比べ、スマホはネット検索や交流サイト(SNS)の閲覧が中心。「そのほか音楽再生や動画視聴、ゲームなど幅広い機能が使われている」(同総研)
多くの用途で使えるスマホを肌身離さず持ち歩く人が増えているが、長時間の使用は注意が必要だ。ネット依存の治療をしている久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の臨床心理士、三原聡子さんは「SNSやゲームにのめりこんでスマホの使用がやめられず、ほかの予定が遅れてしまったということを繰り返すようになったら要注意」と話す。
スマホについての様々な書籍を手がける「オフィスマイカ」(東京都千代田区)の井上真花さんは、行った場所、食べたもの、会った人など、スマホで日々の記録をつける「ライフログ」を楽しんでいる。ただし、初対面の人などとの食事の場合は、写真を撮る前に理由を必ず説明する。「スマホは手の中にあるので、ついそちらにばかり注意を向けがちだが、まわりの人への配慮を忘れないことが大切」とアドバイスする。
今回の調査では「子どもに守ってほしいこと」も聞いた。1位は「自転車に乗っているときは使わない」。自転車に乗りながら片手で携帯電話を操作するのは交通ルール違反にあたる。
ビジネスで気をつけたい
スマホを机の上に出しっぱなしにしてチラチラと目をやりながら話をすると、仕事に集中していないと相手が感じる場合もある
カメラ機能はメモがわりに使える。だが、会社には撮影不可のものもあり、問題がなくても「セキュリティーに対する意識が低い」と思われかねない。まず許可を
いつでもスマホを持ったまま話す人がいるが、大事な取引先との商談の場では「自分の話を軽視している」と見られることも
個人情報が入ったスマホを紛失すると会社の信用にかかわる。日ごろからパスワードでロックをかけたり、端末の位置を検索できるアプリを導入したりしておく
(注)恩田昭子さんのアドバイスをもとに作成
これは目に良くない!
人にぶつかる危険だけでなく、ぶれた文字を一生懸命見ることになり、目への負担が大きい
周囲が暗い環境で強い光を直接見るので目への負担が増す。画面を暗くしても見づらいので疲れる
長時間同じところを見続けると目の筋肉が固まってしまい、筋肉の中の血流を悪くする
焦点を近くに合わせなくてはならず、目の筋肉に負担がかかる。両目の視線を合わせるのも負担になる
正面から見るときと違って、左右の目で見る距離が異なりやすく、近い方の目に負担がかかる
はっきり見えない小さな字を無理してみようとすることで、目への負担が増す
(注)梶田雅義院長のアドバイスをもとに作成
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調査の方法 教育や社会学、医療、ビジネスマナー、IT(情報技術)などの専門家の意見を聞き、守ったほうがいいと指摘があった携帯電話のルールやマナーのリストを作成。このリストをインターネット調査会社マクロミルを通じ、2月下旬に全国の20代~60代以上の男女1030人を対象に調査した。リスト作りの助言をもらった専門家は次の通り。(敬称略、五十音順)
伊藤賢一(群馬大学社会情報学部准教授)▽井上真花(オフィスマイカ社長)▽恩田昭子(ドゥファイン社長)▽梶田雅義(梶田眼科院長)▽藤川大祐(千葉大学教育学部教授)▽美月あきこ(人材育成コンサルタント)▽三原聡子(久里浜医療センター臨床心理士)
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