資料整理が失敗する理由 ゴミ屋敷化する書類置き場

8時間を費やした末にたどりついた「整理術」

妻との外出の約束を破ったのに加え、仕事のために読んでおくべき本や、録画しておいたドラマ・映画に振り向ける時間の余裕がなくなってしまいそうだ。分類そのものも中途半端で、時間の無駄使いだったかもしれないと、後悔の念もわき上がってきた。

その一方で、「使えそうな資料」と「絶対使わないであろう資料」を仕分けできたおかげで、「ゴミ屋敷」を「ちょっと散らかった家」程度には改善できた。「資料の有効活用」につながるかどうかはわからないが、多少のすっきり感は味わえた気がした。

「世界のこんまり(近藤麻理恵さん)」が提唱する「人生がときめく片づけ」がもたらす「充実感や幸せ感」とまではとうてい及ばないものの、「放置してきたモヤモヤ」はだいぶ晴れたということだ。

実は5番目の分類項目「その他」のなかには「整理術関連記事」がいくつかあったことを発見した。これは比較的新しい切り抜きで整理収納アドバイザーや精神科医が整理の効用をわかりやすく伝えていた。

それによれば、資料の山に困っているのは、私のようなオッサンに限らず、中学受験に臨む子供たちも似たような状況に困惑しているようなのだ。子供たちが通う学習塾では大量のプリントやテスト関連の紙が配られる。

これを自宅に持ち帰った後、整理せず、自分の机やリビングダイニングの脇に積み上げたままだとその活用ができないばかりか、子供のやる気を削ぐことになるという。「放置したままの教材や配付資料」に、子供ながら後ろめたさや罪悪感を覚え、テンションを下げる様子が目に浮かぶ。

そうならないため、教科ごとに分け、教科ごとの教材を色の違うボックスやクリアファイルにまとめ、いつでも取り出しやすいようにすることによって、子供の学習意欲や記憶力が高まり、ひいては「脳の活性化」につながる。そう書かれていた。「勉強のできる子供は整理上手」ともいえそうだ。

年の瀬に各家庭で「大掃除」にいそしむ我が国の習慣は、「脳が活性化した、すっきり気分の状態で新年を迎えるための知恵だった」かもしれないと、今さらのように感じる。

8時間もかけて、引き出しにため込んだ新聞・雑誌の切り抜きや、コピー資料の整理に取り組んだのも、まんざら無駄ではなかった。そう自らを慰める助けにもなった、貴重な整理術資料の「発掘」だった。

※「梶原しげるの「しゃべりテク」」は毎月第2、4木曜掲載です。次回は2019年12月12日の予定です。

梶原しげる
 1950年生まれ。早稲田大学卒業後、文化放送のアナウンサーに。92年からフリー。司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)。「日本語検定」審議委員。著書に「すべらない敬語」「まずは『ドジな話』をしなさい」など。

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