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次期社長には、社員の個々の力を引き出せる田口氏(左)を選んだ

次期社長には、社員の個々の力を引き出せる田口氏(左)を選んだ

2018年6月にバンダイナムコホールディングスの会長を退任した石川祝男氏は、文化の異なるバンダイとナムコの経営統合に誰よりも前向きで、両社の文化融合に尽力しました。石川氏が社員に伝え続けた「元気よく暴走しなさい」というメッセージでした。その石川氏の「仕事人秘録」。第15回では石川氏がバンダイナムコホールディングスの会長になり、田口三昭氏が社長に就任した当時を語ります。

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次の社長を打診

2度の中期計画を終えた頃が引き際かなと考えていました。15年4月から3度目の中計が始まったので、ちょうどそのタイミングでした。

田口さんに社長就任の打診をしたのは私の部屋でした。呼び出した田口さんと2人で向かい合い、「実は……」と持ちかけます。私の顔が神妙な面持ちだったのか、本人は「クビにされる」と思ったようです。

田口さんは予期していなかったようで「失敗経験があるので」と断られます。最初からできる人はいません。「挑戦するかどうかでは?」と聞くと、前向きに考え、引き受けてもらえることになりました。私もそうですが、失敗経験は社長に限らず必要です。

次期社長のことは、私が社長になった時から常に頭の中にありました。後継者選びに決定打はありません。様々な選択肢がありました。ただ、世代交代や人間性などあらゆる要素を加味して選びました。

田口さんは、ナムコ創業者の中村雅哉最高顧問(当時)に関する資料を読み込んでいました。旧ナムコの社内報も渡しました。一生懸命に、中村さんの考え方を理解しようとしていました。

田口さんは旧バンダイの出身です。「変化に対応する」というのが中村さんの言葉です。統合相手の文化を受け入れ、旧ナムコの良さを理解しようとしていました。この姿勢は好感が持てました。

田口さんは個々の力を引き出し、社員の挑戦を後押しします。これは大きなポイントです。私の経営方針も同じです。社員が頑張ってくれないと会社は活気づきません。いかに社員が元気良く仕事できるかが最優先という考え方で、私と田口さんは同じです。

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