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ダイレクトメッセージ

失敗乗り越え、ル・マン表彰台へ レーシングドライバー 中嶋一貴

2013/2/20

読者の皆さん。モータースポーツの新シーズン到来を控え、今回が僕の連載の最後となります。日本経済新聞のフェイスブックも含め、連載を通じて様々な応援のメッセージをいただき、感謝しています。

「TS030 HYBRID」に乗りサーキットでの試験走行に臨んだ(20日、仏ポール・リカールで)

「TS030 HYBRID」に乗りサーキットでの試験走行に臨んだ(20日、仏ポール・リカールで)

この際、お知らせしたいことがあります。いま僕はフランスにいます。昨日、ポール・リカールサーキットでトヨタ・レーシングとともに記者会見を開き、2013年シーズンの世界耐久選手権(WEC)に参戦することを発表しました。

いかがですか。2013年型のハイブリッドマシン「TS030 HYBRID」、かっこいいでしょう。僕もこちらに来て初めて実際に目にしたのですが、見た目は合格ですね。レーシングカーでもルックスはとても大事です。

肝心の実力はどうでしょうか? ニューマシンは昨年型を正常進化させたものですが、多くの部品を見直して信頼性を高めるとともに、特に「空力」を大きく改善したのがポイントです。空力は現代のレーシングカーの競争力を左右するとても重要な要素で、直線では空気抵抗を少しでも減らして最高速が伸びるように車体を設計します。

コーナーでは逆に、飛行機が飛ぶための揚力とは反対の、地面にマシンを押さえつける力を最大限に得られるようにします。マシンが強く押さえつけられれば、高速でコーナーを回ってもコースアウトしにくくなる。空気抵抗を減らすことと、マシンを押さえつける力を増すことは、まさに「二律背反」ですが、勝てるマシンでは2つの要素がうまくバランスしているといえるでしょう。

この3人でル・マン勝利を狙う(19日、仏ポール・リカールで記者会見に臨んだ左からブルツ、ラピエール、そして中嶋の3選手)

ところで、この新型ハイブリッドマシンで僕らが目指す今年の最大の目標は、「ル・マン24時間レース」での勝利です。昨年、ともに戦ったオーストリア出身のアレックス・ブルツ(39)、そしてフランス人のニコラス・ラピエール(28)とともに3人で出場します。僕らのマシンのカーナンバーは「7」。トヨタ・レーシングとしてはカーナンバー8のもう1台と合わせ、2台体制で優勝を狙います。

僕らは昨年のル・マンで悔しい途中リタイアとなり、アウディ勢に「ハイブリッドによるル・マン初制覇」という称号をさらわれました。今年のル・マンは6月22~23日が決勝。これからテストを重ね、英国とベルギーで事前に開催されるWECの2レース(いずれも6時間耐久レース)に挑んだ上で、ル・マン24時間に臨みます。

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