※日経トレンディ 2019年12月号の記事を再構成

日経トレンディと日経クロストレンドは、2019年の「ヒット商品ベスト30」を発表した。令和最初の年、どんな商品・サービスがヒットしたのか。1位から30位まで一気に紹介する。

 ラグビー日本代表の快進撃、1000万人以上が感動した映画、新記録を打ち立てたアーティスト……。「平成」が幕を閉じた2019年。人々の高揚感の後押しもあり、様々なコンテンツがヒットした。

 またドリンクや決済手段、映像配信、VRなどの分野で、新たなスタンダードが芽生えた。基本的な性能や機能はそのままに携帯性や使い勝手を上げるなど、機転が利いた製品の躍進も目立った。

 令和元年というメモリアルイヤーに名を連ねた30商品を一挙に紹介する。

「2019年ヒット商品ベスト30」のランキング選考基準
 2018年10月から19年9月の間に発表・発売された商品・サービスなどを対象にヒットの度合いを評価した。具体的には下の3項目に沿って総合的に判定した。
 期間前に発表・発売された商品でも、期間内に著しくヒットしたものは対象に加えた。昨年既にヒットしていた商品は、原則として対象外とした。

評価項目
【売れ行き】:売り上げやシェアをどれだけ拡大したか。どれだけ人を集めたか。売れ行きはどれくらい継続する余地があるか
【新規性】:これまでに無い画期的な技術、着眼点、売り方の工夫があったか
【影響力】:他社の追随を呼んだか、あるいは従来に無い市場を形成したか。生活スタイルや社会の常識を変えて、世の中に影響を与えたか

【1位】ワークマン

職人向け作業服店が、見せ方一つでアウトドアショップに変貌。19年8月の売上高は前年比で約60%伸び、店舗数はユニクロ超え

【2位】タピオカ

ドリンクにもデザートにもなる「黒い粒」に長蛇の列ができ、輸入量は18年の4.5倍のペース。大手チェーンも参入し国民的飲料に

【3位】PayPay

2度の「100億円」キャンペーンなどで認知度を一気に高め、開始1年で登録者1500万人を突破。スマホ決済を普及させた立役者

【4位】ラグビーW杯2019日本大会

視聴率は最高41.6%。全国の試合会場とパブリックビューイングに延べ200万人以上が殺到し、日本のベスト8進出を後押しした

【5位】令和&さよなら平成

202年ぶりの譲位による改元で、列島が高揚。10連休中の旅行者数は2467万人と過去最高を記録し、元号グッズも多数売れた

【6位】ボヘミアン・ラプソディ

40年も前のロックバンドを扱った伝記映画が奇跡の興収130億円。クイーンを知らない若者までが熱狂し、音楽CDも163万枚売れた

【7位】Netflix

4年前に上陸した動画配信サービスが、「全裸監督」など話題のオリジナル作品を連発。有料会員数が77%増え約300万人に達した

【8位】米津玄師

CD不況の時代に「馬と鹿」が初週40万枚超。「パプリカ」などプロデュース作品も軒並みヒットする、令和の新ヒットメーカー

【9位】ルックプラス バスタブクレンジング

「こすらず洗える」使い勝手の良さでリピーターを増やし、発売1年で2200万本を販売。浴室洗剤の市場規模を2割拡大する快挙

【10位】ハンディーファン

スマホを離さない若者のもう片方の手を占拠し、人気モデルは90万台を出荷。“持ち運べる扇風機”が夏の定番ファッションに

【11位】ウーバーイーツ

登録店舗は1万4000店を超え、トップリーダーの出前館を猛追。ドリンク宅配需要も生み出し、「出前=食事」の常識を覆した

【12位】こだわり酒場のレモンサワー

簡単にレモンサワーを作れる「素」のヒットに続き、RTD缶が800万ケースの大ブレイク。居酒屋でも同一ブランドにして急拡大

【13位】バスチー─バスク風チーズケーキ─

発売3日で100万個を突破し、シリーズ累計2450万個以上。「新食感」の魅力で、激戦コンビニスイーツの新定番に名乗りを上げる

【14位】天気の子

興収136億円、19年公開の映画で堂々1位。『君の名は。』に続き成功を収めた。2作連続100億超えを果たした映画監督は2人目

【15位】大粒ラムネ

1.5倍に大きくした大人向けラムネが既存の「森永ラムネ」を超える勢い。「集中力アップにはブドウ糖」の意識が社会人にも定着

【16位】オキュラス Go & クエスト

ケーブルレスの独立型ゴーグル2機種がシェア4割を奪取。激安&高機能で、コアなファン以外にも裾野を広げ、VRの大本命に

【17位】大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL

「20年目の集大成」に歴代ファイターが勢ぞろいし、300万本超えで圧倒的1位に。好調を維持するNintendo Switchの強さも示した

【18位】悪魔のおにぎり

「健康志向」の真逆を行く高カロリーおにぎりが、王者・ツナマヨを捉え、累計5600万個超とバカ売れ。関連商品も多数登場した

【19位】マシュマロパンプス

ふわふわとした履き心地が、ヒール靴に不満を持つ女性の心をわしづかみ。低価格&カラバリが受けて約1年で累計170万足を達成

【20位】おしりたんてい

アニメのレギュラー化に乗って急伸し、累計700万部を突破。意外な上品さで親を安心させつつ、参加型謎解きで子供を魅了した

©Troll/POPLAR
©Troll/POPLAR

【21位】ドラゴンクエストウォーク

リリースから約1カ月で800万ダウンロードを突破し、課金額も増加中。ドラクエらしいゲーム性で長年のファン層を着実につかんだ

【22位】ムーミンバレーパーク

不利な立地を物ともせず、湖畔の来場者数が年間目標の100万人を楽々クリア。3世代客などムーミンファン以外も呼び込んだ

【23位】誤発進防止装置

相次ぐ「暴走事故」報道で需要が急増。加害者やその家族になりたくないと切に感じた人々を動かし、販売台数は報道前の100倍に

【24位】スターバックス リザーブ ロースタリー 東京

日本初の焙煎所を併設したスタバが鮮烈デビュー。新たなコーヒー体験ができる“テーマパーク”として最大6時間待ちの人気

【25位】液体ミルク

国内メーカーの製造販売解禁で、市場の垂直立ち上げに成功。いち早く発売した江崎グリコは、当初4カ月で予想の3倍の売れ行き

【26位】新ペットボトル紅茶

ミルクやフルーツの味わいを感じられる爽やかさが受け、“紅茶派”の女性が急増。代表3ブランドで計750万ケース出荷と躍進

【27位】スタディサプリ

有料会員が70万人を突破し、スマホ向け学習サービスの定番に。受験生だけでなく、英語を学びたい社会人のニーズも捉えた

【28位】ポケトル

120mLという超ミニサイズのマグボトルが累計100万本を出荷の勢い。「少ないのがちょうどいい!」と感じた女性の支持を得た

【29位】即食高プロテインフード

お手軽たんぱく質食品の人気が急騰。プロテインバーは爆売れで品切れ続出。ザバスミルクプロテインの売り上げも前年比1.5倍に

【30位】アタックZERO

発売5カ月半で5200万本を出荷。洗濯洗剤でトップシェアを長年続ける「アタック」が、10年ぶりの完全リニューアルを成し遂げた

 各商品のヒット解説記事は、11月2日から日経クロストレンドで順次掲載。日経トレンディ12月号(11月2日発売)が閲覧できるデジタル雑誌(有料会員限定)では、11月2日から一挙に読める。

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