現代人の角膜が危ない? 対応のヒントを探る[PR]ウェルエイジングフォーラムで専門家が講演

目が疲れる、かすむ、ショボショボする、といった目の不快症状を感じることはないだろうか。そこで注目したいのが、角膜だ。目に光を取り入れる窓であり、ゴミや細菌、カビなどの侵入を防ぐバリアとして目を守っている角膜は、パソコンやエアコン、コンタクトレンズの使用や、微小粒子状物質「PM2.5」、花粉など現代社会ならではのリスク要因によって「損傷リスク」にさらされているという。

10月22日に開催された「日経ウェルエイジングフォーラム」第2部セミナーでは、「長引く目の疲れ、かすみ、乾燥感は角膜が傷ついているサインかも?~目の健康寿命を延ばす効果的アイケアとビタミンAの最新知見」と題して、順天堂大学医学部附属静岡病院眼科の土至田宏先任准教授による講演、及び土至田先任准教授と日経BP総研客席研究員の西沢邦浩氏によるトークセッションが行われた。

ここではそのセミナー内容を解説する。目の最も外側、最前線で目の健康を支えている角膜の健康を維持するためのヒントについてお伝えしよう。

角膜の修復力を弱める現代人の習慣

セミナー冒頭で、土至田先任准教授は、「人間の視覚は高度かつ繊細」と説明。人の表情を瞬時に読み取るほか、髪の毛一本一本の違いや色を見分けること、また、目から入った光情報が体内時計や生体リズムを調整する働きなど、目の多才な働きについて解説した。

問題なのは、現代人の生活環境には、この目の働きに悪影響をもたらす要因が積み重なっていること。土至田先任准教授は、「瞬きの回数が通常の状態よりも4分の1に減少するパソコン作業、涙の蒸発を促進し、目を乾燥させるエアコン、さらにはコンタクト使用によって涙の層が薄くなるなど、目の表面にある角膜は危機にさらされている」と指摘する。

厚さわずか0.5mm(中央部)の透明な角膜は、眼球に光を取り入れる窓としての役割とともに、水晶体と同様にレンズの機能も果たしており、さらには角膜の最も外側にある角膜上皮層は目を守るバリア機能も発揮している。ところが、パソコン、エアコン、コンタクトという「3コン」によって角膜上皮が本来持つ修復力(ターンオーバー力)が低下。

「50歳代であってもスマートフォン利用は3時間14分と、18~34歳と9分しか変わらない状態であるという統計もある。動画やゲームに集中していると、興奮状態のときに分泌する神経伝達物質のアドレナリンによって痛みに気づきにくくなるため、ますます瞬きを忘れ、角膜の乾燥が悪化する。また、近年は、PM2.5や花粉、黄砂など、角膜を傷つける要因も増加している。加齢によっても涙の分泌量は低下するため、角膜は、より乾きやすくなる。みなさんの角膜は、傷つきやすく、修復されにくい状態であることを知ってほしい」と強調した。

目の健康は生きる活力を下支えする

セミナー後半のトークセッションでは、来場者を巻き込んで「角膜チェック」が行われた(図2)。チェック項目が何個該当したか、来場者に挙手してもらったところ、最も多かったのが「4~7個」だった。ミドル世代も、角膜損傷リスクにさらされているようだ。

西沢氏が「認知機能と身体機能については、障害が起こると健康寿命に関わるとして予防への関心も高いが、その重要性から考えると、もっと目の機能障害に対する注意喚起も必要では?」と投げかけると、「実際に機能が低下し、回復した人は目の大切さを実感する。白内障によって視機能が低下していた人に手術を行うと、患者さんは、『自分の顔のしわが多いのにびっくりした』などと言う一方で、『よく見えるようになったからうれしい』と活動的になり、明らかに生きる活力を高めている。視力維持が健康寿命の延伸に寄与すること、目の健康を守るためにうつべき予防策はたくさんあることをもっと知ってもらいたい」と土至田先任准教授は答えた。

角膜上皮細胞を修復するビタミンA点眼薬

加齢や生活習慣によって「角膜の修復力をリスクが上回る」というアンバランスが起こっている現代。このバランスを立て直すにはどうしたらいいのか。

●角膜が乾かないようにする

●角膜上皮細胞の増殖力を高める

という2方向の対策が必要だ、と土至田先任准教授は言う。

具体的なセルフケアとして、「パソコン使用時は、視線が下向きになるようにディスプレーの高さの調整を。上向きだと涙が蒸発しやすくなる。また、目をホットタオルで温めると、目を潤わせる涙の被膜となる油の分泌を高めることができる。喫茶店でアツアツのおしぼりを目に当てたくなるのは、理にかなっている。また、目的に合った点眼薬を選ぶことも重要」(土至田先任准教授)。

効果的な点眼薬についての最新研究についても解説があった。

土至田先任准教授は、動物を用いた研究「ビタミンA(レチノール)配合目薬の効果」について説明(グラフ)。ドライアイ患者への試験も行われ、角膜の傷の回復効果が得られたという。

ドライアイモデル動物の角膜に損傷を与え、角膜上皮障害に対するビタミンA(レチノールパルミチン酸エステル)の治癒効果を検討した。ビタミンA濃度1500IU/ml点眼液または0.1%ヒアルロン酸点眼薬を1日6回、7日間点眼した結果、ビタミンA点眼では投与後3日後、7日後に有意な角膜の傷スコアの低下が認められた。(出典:Clin Ophthalmol. 2012;6:1585-93.)

「ビタミンAは、角膜の潤いを保つ下地となるムチン層に働きかけ、角膜を乾燥から守る涙の層を安定化させると同時に、角膜上皮の傷を修復する、という2つの機序の相互作用によって角膜の修復を促すと考えている。研究で用いたビタミンAは安全性が高く、安定性も良いというメリットがある」(土至田先任准教授)。

西沢氏も、「1990年代末に、今回注目の点眼薬成分としてお話しいただいたビタミンA(レチノール)が肌のシワ改善成分として話題になり、スキンケアの世界が大きく変わった。それから約20年後の今、同じ成分で目のケアにおいても変革が起きようとしているのは興味深い」とうなづいた。

セミナーの最後に土至田先任准教授は、「皮膚科領域ではビタミンAの持つ皮膚上皮障害改善効果の研究がめざましい。年齢とともにお肌のケアを重視する人が多いが、これからの季節は皮膚と同様に、目も乾燥にさらされる。スキンケアとともに角膜のケアもぜひ心がけてほしい」と締めくくった。

目の乾きやかすみといった目の不快感を感じたら、ぜひ眼科を受診したい。角膜や網膜、視神経など目のどこに問題が起こっているかを突き止めることができれば、それぞれの原因に即した点眼薬などの治療選択肢がある。目の健康維持に対して希望が持てるセミナー内容だった。

土至田 宏先任准教授
順天堂大学医学部附属静岡病院眼科
聖マリアンナ医科大学卒業、順天堂大学大学院修了。ルイジアナ州立大学留学を経て2014年より現職。ドライアイを中心とした角結膜疾患の発症機序を自律神経や生理活性物質などの生理学的側面から解明。動物モデルを使い、涙液やムチン分泌、角結膜上皮の創傷治癒効果などを検証している。

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