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2009年、バンダイナムコホールディングスの社長に就任した

2009年、バンダイナムコホールディングスの社長に就任した

2018年6月にバンダイナムコホールディングスの会長を退任した石川祝男氏は、文化の異なるバンダイとナムコの経営統合に誰よりも前向きで、両社の文化融合に尽力しました。石川氏が社員に伝え続けた「元気よく暴走しなさい」というメッセージでした。その石川氏の「仕事人秘録」。第13回では社長就任直後の赤字を振り返ります。

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統合効果を急ぎ、停滞感がまん延

当然ですが、ナムコとバンダイが統合したからには結果が求められます。早く統合効果を出そうと焦ったことが、裏目に出ました。原因はいくつかあります。文化が異なる両社の融合を私たち経営陣が急ぎすぎました。

稟議(りんぎ)書の統一といった書類の作り方から会議での報告方法など、あらゆる手順を共通にしました。

シナジー効果を無理やり出そうとした結果、現場がトップダウンの指示を待つようになります。両社の良いところ取りどころか、自発的な力が弱まり、スピード感が鈍って納期遅れなどの問題も頻発しました。

得意でない分野に挑戦したことも失敗につながりました。あまり経験のなかったファースト・パーソン・シューティング(FPS)やアクションゲームのタイトルにも挑戦しましたが、大金を投じて終わりました。

2009年4月、持ち株会社「バンダイナムコホールディングス」の社長に就任した

社長就任の初年度である10年3月期は299億円の最終赤字です。リーマン・ショックによる世界的な不況も1つの原因でしたが、それ以上にナムコとバンダイの融合が軌道に乗らないことが深刻な問題でした。

持ち株会社の社長就任直後の赤字に見えますが、実際のところゲームの開発には2~3年かかります。私が責任者として仕込んだ大型タイトルが軒並み赤字です。赤字の責任は私にあると感じていました。

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