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会見で互いのキャラクターを手にするナムコの高木副会長(左)と中村会長(中)、バンダイの高須社長(2005年5月)

会見で互いのキャラクターを手にするナムコの高木副会長(左)と中村会長(中)、バンダイの高須社長(2005年5月)

2018年6月にバンダイナムコホールディングスの会長を退任した石川祝男氏は、文化の異なるバンダイとナムコの経営統合に誰よりも前向きで、両社の文化融合に尽力しました。石川氏が社員に伝え続けた「元気よく暴走しなさい」というメッセージでした。その石川氏の「仕事人秘録」。第12回では経営統合に至る秘話を明かします。

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ナムコは2005年にバンダイと経営統合した

バンダイとの統合の話を最初に聞いたのは05年初頭でした。私は「ラッキー!」と思いました。ナムコの役員で私が最も推進派でした。当時ナムコは生き残りをかけ、M&A(合併・買収)や統合を模索していました。実際に複数の会社と交渉していました。

ナムコを我が子と同じように思っていた中村雅哉会長(当時)は当初、統合に前向きではなかったです。ただ、バンダイの高須武男社長からの猛烈なラブコールを受け、「少し考えるよ」ぐらいは思っていたのかもしれません。

ナムコにはゲームセンターやゲーム機などを担当する役員がいます。これらの部門は統合の利害関係がほとんどなく、「我、関せず」という雰囲気。「ナムコで生き残れる」とか「乗っ取られる」と主張する人もいました。

私は研究開発を担当しており、「バンダイと組めば面白い商品ができる。ぜひやりましょう」と中村会長に進言しました。一部の役員も統合に前向きでした。中村会長は最終的に「おまえたちがやりたいなら、そうしなさい」と言い、統合の決断はわずか1カ月間で下されました。

統合に向けて両社を何度も行き来するなかで、最もやり取りをしたのはバンダイのビデオゲーム事業部の役員だった鵜之沢伸さんでした。業界では「鵜之沢という暴れん坊がいる」と噂されていました。実際にお会いすると声も大きく行動力があります。イメージ通りの方でした。

その一方、強がりなくせに意外と繊細で、人間味を感じさせる側面もあり、繊細さと豪快さをうまく使い分けていました。繊細なところを垣間見たときは「うまくやっていけそうだ」と思いました。

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