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大ヒット「太鼓の達人」 ボツ寸前からの復活劇 バンダイナムコホールディングス 元会長 石川祝男氏(10)

2019/10/11

子供でも遊べる簡単な操作性で、「太鼓の達人」は大ヒットとなった

2018年6月にバンダイナムコホールディングスの会長を退任した石川祝男氏は、文化の異なるバンダイとナムコの経営統合に誰よりも前向きで、両社の文化融合に尽力しました。石川氏が社員に伝え続けた「元気よく暴走しなさい」というメッセージでした。その石川氏の「仕事人秘録」。第10回では大ヒットゲーム「太鼓の達人」の開発エピソードを明かします。

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■原点に立ち返る面白さが受け、音楽ゲームが大ヒット

いつものように「社内をプラプラ」していると、常務だった私に涙ながらに訴える若手社員がいました。社内の会議で評価が低く、お蔵入りしかけている企画を、何とかできないかと直談判されました。

それが現在の「太鼓の達人」です。太鼓の達人はリズムに合わせ、タイミングよく太鼓をたたくだけのゲームですが、「面白い!」と直感しました。

当時は音楽ゲームが出尽くし、上級者向けに進化し続けていました。それでも私は、コアなファンだけでなく、子供から老人まで誰でも簡単に遊べるシンプルなコンセプトに引かれます。原点に返る簡単なものがうけると感じました。

■最初は反対が多かった「太鼓の達人」

すぐに担当部署に試作機の製作を依頼。製品化を議論する「タイトル審査会」にもかけましが、営業と販売から「いらない」「売れても100台」という声が出て、反対されました。

曲集めにも苦労しました。太鼓の達人は、オリジナル曲を充実させた既存のゲームとは異なり、誰でも楽しめるように、昔ながらの有名曲から歌謡曲までそろえる必要がありました。音楽事務所に頭を下げにも行きました。

しかしこれが大ヒット。今もゲーム施設の目立つ場所にあります。実際に登場した「達人」も人気に火を付けます。上級者が演奏すると、囲むように周りの人が見学します。異なる難易度で同時プレーできるため、上級者と素人が共存できる珍しいゲームです。

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