米国市民に聞いた銃の購入、所持、保守管理の実際銃社会の住人の本音(上)

アシュレイ・ファーランドさんは床にネジで固定した容器に銃を入れ、鍵をかけて保管している。使わないときは安全のため、銃弾と銃は別の場所に保管しているそうだ。夜に家に1人でいる場合などは、銃を荷物入れから取り出してベッド横のスタンドに置くこともある。オハイオ州の30代の女性も、なにかあったときにすぐに取り出せるよう、常にベッド横のナイトスタンドの引き出しに入れて保管しているそうだ。

日本人にはわかりづらい点かもしれないが、銃を携帯して持ち歩くことはただ所有するだけのこととはレベルが異なる行為とされ、州ごとに様々な規制をかけている。テキサス州やオハイオ州では、家の外などで銃を持ち歩くのに専用の免許が必要だ。この免許を取るためには銃の安全についてのクラスを受講し、射撃場での実地試験に合格しなくてはならない。クラスは約10時間で、実地試験とともに数年に1度、更新するために受ける必要がある。クラスと試験を受けるには約100ドルが必要で、免許を取るのに約70ドルかかるのが一般的。更新時は約半額の45ドル程度のようだ。

テキサス州はこの免許があっても、銃を他人に見えるようにして持ち歩いてはならないと州法で定めている。携行するにしても必ずバッグの中などにしまい、人に見えないようにしておかなければならない。一方、アリゾナ州では見えるようにして持ち歩いてもかまわない。

また、免許があっても、テキサス州では空港、学校、病院、そしてバーには持ち込めない。こうした場所に出入りするときは車などに置いて行く。車は自宅の延長と解釈されている。

子供のころから銃に親しむ人も

銃を持ち歩く免許がないと、家などでしか使えない。射撃場や、銃販売店にメンテナンスで持っていくなど、家から持ち出す必要があると判断される場合のみ、携行できる。その際は、銃弾を取り外し、銃をバッグなどに入れて持ち歩かなくてはならないという。

銃の所持が認められているといっても、いきなり使える人は少ないだろう。アメリカ人は、射撃場などの練習場や、銃のトレーニングクラスなどを受講することで銃の使い方を覚えている。アシュレイ・ファーランドさんも「いざというときに、銃を使えなくては意味がない。暗い場所でも銃弾を補充できるなどうまく使えるよう、日ごろの練習は不可欠」と話しており、少なくとも3カ月に1回は練習に出かけ、1年に1000発撃つという。「私は熱心な方かもしれないが、買ってから一度も練習しない人もいる」

子供の頃から、親に銃の使い方を教わっている人も多い。オハイオ州の男性会社員アンディさん(31)は、狩猟用にショットガンを約600ドルで数年前にスポーツ用品店で購入した。趣味のクレー射撃などに使っているという。アンディさんは10歳頃から、米国陸軍に所属したことのある父から、銃の手ほどきを受けた。父の監修のもとに射撃場で練習し、10代後半には銃の安全についてのクラスを受講して、銃について勉強したという。彼は、銃を使わないときは、家の見えない場所に隠して置いている。子供ができたら、それに加えて、鍵をかけて保管することを検討するという。

何かあったときにすぐに銃を使えるよう、メンテナンスも重要だ。アシュレイさんもアンディさんも、射撃場で練習した後などはきちんと汚れを拭き、油をさし、銃のさびや劣化を防いでいる。

レッスン通いやメンテナンスに時間とお金をかけてでも、銃を持ち続ける人々がいる。それに応じたマーケットがあり、トレーニング施設がある。銃のある生活の根本を知らないと、銃規制の議論も我々にはみえてこないだろう。

(電子報道部 岸田幸子)

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