2019/10/23

知らないと大変!ビジネス法則

チャンク化すれば記憶に残りやすくなる

マジカルナンバーがいくつにせよ、使い方は変わりません。情報をいくつかの塊にまとめれば、記憶に残りやすくなる。その原理を応用すればよいのです。

たとえば、電話番号がそうなっています。ハイフンやカッコを使って市外局番、市内局番、固有の番号と3分割して表記するのが普通です。これが10ケタの数字で書かれていたら、とても頭に入りません。3~4つの塊をつくる(チャンク化する)からこそ、覚えられるようになります。

商品をアピールするときも同じです。10も20も特徴をカタログに書いて訴えても、お客様に覚えてもらえません。(1)安全、(2)高性能、(3)使いやすい、といったように、大きな塊に集約すると読み手の印象に残りやすくなります。

総合カタログなどで、顧客にたくさんの商品を紹介するときも同じです。あまりに多いと頭の中がパンクしてしまいます。(1)パーソナル系、(2)ビジネス系、(3)ホーム系、(4)プロフェッショナル系といった具合に、シリーズ(ライン)に統合していくと理解されやすくなります。

ウェブサイトのレイアウトからパワーポイントのデザインまで、チャンク化が見やすさの最大のポイントとなります。それが受け手の立場でデザインすることにつながります。

ナンバリングで仕事の効率を上げる

仕事の効率を上げるのにもマジカルナンバーは役に立ちます。

たとえば、誰かに何かを伝えるときに「3つのポイントにまとめろ」とよく言われます。塊をつくると相手の頭に残りやすくなり、話し手も内容を覚えるのに重宝します。「ナンバリング」と呼ばれる技法です。最近は、「3つは多すぎる。一つにしろ!」という上司もいますが……。

会議でたくさんの意見が出て、混沌となるときがあります。進行役(ファシリテーター)が真っ先にやらないといけないのが、やはりチャンク化です。似たような意見をひとくくりにして、「皆さんの意見を大きく分けると3つくらいでしょうか」と情報圧縮をしてしまうのです。

仕事が立てこんでいるときも同じです。ToDoリストに片っ端から羅列したのでは、全体像や優先順位がつかめず、ヌケモレが出る恐れもあります。(1)問題解決(A:顧客対応、B:社内業務)、(2)業務改善(A:短期、B:長期)、(3)報連相(A:上司、B:会社)など塊をつくっていけば、要領よくこなせるようになります。

さらに、マジカルナンバーは効率的に学習するのにも役に立ちます。受験勉強の暗記科目のように、一時に大量の情報を頭に入れないといけないときに、塊をつくって記憶するようにするのです。「鳴くよ鶯平安京」(平安遷都の年)、「水平リーベ僕の船……」(元素の周期律表)といった語呂合わせもチャンク化の好例です。

こんな風に、私たちの身の回りには既にたくさんの応用例があります。膨大な情報に接する現代社会を生き抜くために欠かせない法測だと言っても言い過ぎではないでしょう。

堀公俊
 日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

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