連載「W杯だ!ラグビーを語ろう」 それぞれの思い
■指揮の道、はじまりは雨のスクラム指揮者・小澤征爾さんマエストロが生まれたきっかけは、成城学園中学(東京・世田谷)でラグビーの試合で両手人さし指を骨折したことでした。ピアニストを諦め、指揮の道に進むことになりました。
■公式ソング「World In Union」 「一番のスケール」歌手・吉岡聖恵さんホルストの組曲「惑星」にある「木星」のメロディーに歌詞をのせた「World In Union」(ワールド・イン・ユニオン)。開催国の著名シンガーが歌ってきたこの曲を、日本大会で担当するのがいきものがかりのボーカル、吉岡さんです。
■宇宙ステーションから心のパス宇宙飛行士・星出彰彦さん星出さんはラグビーボールを宇宙に運んだ「ファーストマン」かもしれません。初の宇宙飛行となった2008年のミッションの際、国際宇宙ステーション(ISS)内でパスを放ちました。
■東北の被災地に響いた「楕円桜」シンガーソングライター・渡瀬あつ子さん「転がったボールの行方 誰も知ることのない道」で始まるラグビーファンに歌い継がれる曲があります。渡瀬さんは「勝ったときも、つらいときも、みんなで歌って応援する『文化』が生まれてくれたら」と話します。
■三ツ星レストラン同士の対抗試合に出場シェフ・三国清三さん帝国ホテルで出合ったラグビーは仲間づくりにもつながり、その経験は渡欧後も生きたといいます。同じポジションのスター選手が親戚だったことを知った近年は、さらにラグビーへの思いを深めているそうです。
■原始的であることと、緻密であることが魅力衆院議員・小泉進次郎さん関東学院大学に在学中、黄金期にあったラグビー部の活躍に胸が躍ったそうです。政治家となった今は「スクラムハーフ(SH)が今の自分の役割に似ていると思うときがある」と話します。
■花園で大敗、建築に進路を絞る 建築家・坂茂さん成蹊学園(東京都武蔵野市)でラグビー部に所属し、ポジションは背番号7、右フランカー。高校2年の1975年1月、花園ラグビー場での全国大会にも出場したのですが、その時の経験が人生設計を大きく変えました。
■楕円のボールから生まれる短歌歌人・佐佐木幸綱さん「ジャージーの汗滲(し)むボール横抱きに吾(われ)駆けぬけよ吾の男よ」。歌人として、どちらに弾むかわからない楕円球に「ドラマみたいなものが隠されている」と感じています。
■小説「ノーサイド・ゲーム」に込めた思い小説家・池井戸潤さん「『ノーサイド』とか『One for All , All for One』だとか、そうした美しい言葉で語られるラグビー像が、うそっぱちになっているんじゃないかと思いましたね」。筆を取るうちに感じた思いを吐露します。
■観戦の余韻に浸る喜びノンフィクション作家・後藤正治さん「世界には『日本のラグビーは面白い』と思ってくれているファンがいます。それはジャパンが、外国人がアッと驚くような新鮮な戦術を見せてきたからだと思う」。日本代表の活躍を予言していたかのような言葉です。
■チーム作り、撮影の現場でも俳優・高橋克典さん「なかなか最近の世間にはいない、男くさくて頼れる猛者たちがたくさんいて、ワーッと力をぶつけあう面白さ、力強さをぜひ感じてほしい」。経験者として「ラグビー」の見どころをこうアドバイスします。
■伝統話芸との意外な共通点浪曲師・玉川太福さん「思い切りタックルにいけたときは、他のスポーツでは味わったことのない、何とも言えない感覚を味わえました。勇気をひとつ、手に入れたみたいな」。浪曲界のキラ星がラグビーをうなります。
■海と山のスタジアムへようこそ釜石の高校3年生・洞口留伊さんW杯会場の一つ「釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム」のキックオフを宣言するなどラグビーファンには、いま最も有名な高校生。東日本大震災に対する世界の支援への感謝を伝える活動を仲間と進めます。
■強豪生む平和の力地域エコノミスト・藻谷浩介さん「主要7カ国(G7)でも中国ロシアでもない国が強いというのは興味深い」。「北アイルランドと、アイルランド共和国が国境を越えて1つのチームをつくるのもすごく面白い」。気鋭の地域エコノミストの分析は?
■強みの団結力、勝つことでより強くプロ野球選手・青木宣親さん「日本人の強みって、チームワークじゃないかと。すごく強く団結して世界に対抗する。そこに個人の能力が加わると、さらに強くなると思います」。野球世界一の経験者が、アイルランド戦の勝利を予想していました。
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