ブランド戦略 球団とタッグ

――あっと驚く商品はいつ出ますか。

「この5年間で出したいですね」

――祖業のガムは市場が縮小しています。

「全然あきらめていません。逆に今の時代に必要なものじゃないかと思っています。ものをかむ習慣はすべての健康につながります。実際、キシリトールは2018年は伸びました。ガム市場は下がっていますが、シェアはすごく上がっていて65%くらい。味ではミントに力を入れていきます。今までにない香りのものを研究してもらっています」

――インバウンドの需要取り込みや越境ECはどうですか。

「はっきりいって遅れています。ただ欧州などから雪見とかクーリッシュなどの引きはすごく強いんです。インバウンドやECは乗り遅れたので今からやってもしょうがない。海外進出した方がいいと思っています」

――創業家の贈賄を問う韓国での裁判や、かつてのお家騒動で企業イメージに影響が出ていませんか。

「事業面では影響がないと思いたいです。ファンに1人ずつ聞いたことがないので分かりませんが、もしかしたらあるかもしれません。仮に影響があったとしても、その分、ブランド・商品をよくするしかありません」

――創業家との関係はどうしていきますか。

「オーナー企業はいいところもあって、それが我々のベースをつくってきました。ただオーナーに依存することはできません。いろんな面で相談していますが、許しを得るというよりも、こういう考えでやりたいというのを相談しています。頼りないでしょうけど、任せてくれています」

――ブランド戦略ではロッテ球団をもっと活用してもいいのでは?

「その通りで、このコンテンツを最大利用するということで、(監督の)井口資仁さんとも話しています。井口さんも僕も昨年が就任の初年度なんです。お互いよくしましょう、強くしましょうと話しています」

(聞き手は半沢二喜)

牛膓栄一
1983年(昭58年)明大政経卒、ロッテ入社。入社以来一貫して営業畑を歩む。2010年、ロッテ商事取締役。18年4月、国内3事業会社が合併して発足した新会社、ロッテの初代社長に就任。趣味は野球をはじめとするスポーツ観戦や国内外の史跡巡り。神奈川県出身。58歳。
海外展開、伸び課題
2018年3月期のロッテの売上高は約3033億円。森永製菓(同2050億円)やカルビー(同2515億円)、明治の製菓事業(同1579億円)などを大きく上回り、非上場ながら国内最大の菓子メーカーだ。
課題は海外だ。東南アジアやポーランドが中心の海外事業の売上高構成比は12.3%。製菓業界ではカルビー(18年3月期で13.4%)と並ぶ高水準だが、5割超に達する味の素や、3割程度のアサヒグループホールディングスなど他の食品大手に比べるとグローバル化では見劣りする。アイスの展開が始まった北米など新たな地域の開拓がカギを握りそうだ。(松井基一)

[日経MJ2019年4月1日付]

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