実家に帰省 嫁・婿vs.義父母、それぞれの本音トップ10
年末年始に夫や妻の実家に帰省したり、嫁や婿を迎えたりする人は多いだろう。久しぶりの再会はどちらも心待ちにしていること。ただ、嫁や婿と義父母という間柄では気を使うこともある。インターネット調査で「相手に気付いてほしいこと」を聞いたところ、それぞれの気持ちが見えてきた。ちょっとした心配りがあると楽しい帰省になりそうだ。
「手伝わなくていいと言われても……」。調査では義父母の「やさしさ」に戸惑う嫁の声が目立った。作法学院「清紫会」学院長の近藤珠實さんは「勧められても3度断って3度は譲る『三辞三譲』の心がけがある。一度断られても、何度か手伝うことがないか聞くのがマナー」と話す。マナースクール「ライビウム」代表の諏内えみさんは「台所に入ってほしくないと思う人もいるので、最初は買い物などのほうが義父母も頼みやすい」という。
義父母の側も、頑張ってすべての家事を抱え込まずに「役に立ったと嫁に思わせてあげることも重要」と、家事講座などを開く「家事塾」代表の辰巳渚さん。お互いに相手の心情をくみとることが大切だ。
孫の帰省は義父母にとって待ち遠しいもの。ただ「高齢の義父母が乳幼児の世話を元気良くできるのは2時間が限度」(近藤さん)。任せっきりにせず、義父母が疲れていると感じたら絵本を読んだり、アニメをみせたりと静かに過ごせるように促すと一息つける。
嫁や婿の意見で目立ったのが「帰省中に義父母が孫を甘やかすので、自宅に戻ってから日常のリズムに戻すのが大変」(40代女性)という声。食事前にお菓子やジュースを出したり、欲しがるものを何でも買ったりするのは好ましくないだろう。
義父母の1位は「大げさな手土産はいらない」。だが、嫁婿の立場からは手ぶらも気まずいので「帰省中にみんなで楽しく食べきれるお菓子なら双方の負担が少ない」(辰巳さん)。
嫁や婿に義父母が喜ぶと思う手土産を聞くと和菓子が最も多かった。一方、義父母に聞くと洋菓子がトップ。義父母から「あのお菓子が食べたいわ」とリクエストされるほうが助かるという嫁婿も多い。
滞在中の食事代をどうするかも気を使うところ。お金の受け取りを嫌う場合は、一緒に外食をして食事代を子世代が負担する方法もある。食事の準備の手間が省けるうえに「帰省中に必ず行く店を決めておくと、恒例行事になってみんなの楽しみになる」(近藤さん)。
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表の見方 数字は調査結果を点数化。義父母の本音の表は盆や年末年始に嫁や婿が自宅に来る義父母の回答。嫁や婿の本音の表は夫や妻(配偶者)の実家に行く嫁や婿の回答。
調査の方法 11月中旬、日経生活モニターを対象に、盆や年末年始の帰省で一緒に過ごす中で嫁や婿、義父母がそれぞれに対し、言いたいがなかなか言えないことを尋ねた。その回答をもとに選択肢を用意し、インターネット調査会社のマクロミルを通じ、全国20代から80代までの既婚男女計1000人に選択肢から当てはまるものを選んでもらった。回答者数の多かった選択肢の順にランキングを作成した。
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