日常に花を 「青山フラワー」男性にもアピール
パーク・コーポレーションの井上英明社長
パーク・コーポレーションの井上英明社長
花の市場が縮小傾向にある中、ユニークなサービスで売り上げを伸ばす企業がある。「青山フラワーマーケット」を運営するパーク・コーポレーション(東京・港)だ。企業の祝い花をコチョウランではなく受け手が選べる仕組みにしたり、「緑視率」をもとにオフィス内の緑化を推進したり。「まねは嫌い」と語る井上英明社長は「無機質な都会生活に花や緑を増やしたい」と意気込む。
ネタ出しあい新しいことを
――1988年に起業する前は米会計事務所で働いていたそうですね。
「クリエーティブな仕事に興味があったのに会計士の世界に入ったら全然違ってて。辞めたくてイベント企画の会社をつくったんです。あるとき花市場に行ったら、街で800円くらいで売られているバラが100円だったので驚きました。倍くらいで売っても買う人いっぱいいるんじゃないのと。友人の父親が代議士だったので、議員会館に持っていったら好評で。それがスタートです」
――花の市場や消費額は減少傾向です。
「冠婚葬祭や仏花の需要が少なくなっています。でも僕らがメインにしているのは自分で楽しむ日常使い。既存店ベースでも売り上げが伸びています。冠婚葬祭だと客単価は何十万円ですが、僕らは1500~1600円。客単価は花屋として低いんですよ。その代わり客数は400万人以上いらっしゃいます」
――既存店を伸ばし続けるための工夫は?
「新しいことを打ちまくるしかないと思うんです。だから日比谷花壇さんなどと一緒に『フラワーバレンタイン』とかやってます。世界ではバレンタインって一番花屋が忙しい日なんですよ。だからもっと男性が花を贈るべきだと言ってきました。今ではバレンタインの日の午後以降は男性の行列ができます。今まで買わなかった場面でどう使ってもらうか。新しいパイをつくらないと」