在庫処分に最適解 販路を提供、閉店セールも支援ゴードン・ブラザーズ・ジャパンの田中健二社長

――こんなモノまで売れたという事例は。

「たとえば裾が広いベルボトムのデニムパンツ。日本では売れないが、東南アジアとアフリカで売れました。もう一度縫製工場に持っていき、ショートパンツに加工し直して、国内で再販するなど知恵を絞っています」

――在庫を抱えるというと、マイナスのイメージがあります。

データ分析に基づく値引き幅を決めて、視覚に訴えるPOPを作成する

「日本では(商品在庫や機械設備など)『動産』の概念が希薄です。動産は時間がたてば価値が変わり、評価には現場の経験が必要です。米国の会計士は動産の評価が許されておらず、動産を専門に鑑定する別の資格があります。日本でも専門の資格が必要でしょう」

――閉店セールの支援も手がけていますね。

「顧客企業から過去2年分の売り上げと在庫のデータをもらい、回転率や店舗ごとの傾向などを定量的に分析します。すると、ある時期にA店ではこの程度売れるが、B店では全く売れない、C店ではもっと割り引かないと売れない、という細かい状況が見えてきます。すべてを売り切り、通常の2倍売り上げるのが目標だとすると、何%の割引率にすればよいか。商品の種類や店舗ごとに最適な解を算出します」

コンサルティングも手がける

――どんな業種からの依頼が多いですか。

「アパレルと宝飾品です。アパレルは、大きい企業から小さい企業まで幅広く手がけています。転売しようという判断は他の業種よりも早い。最近はホームセンターの閉店改装の支援も多い」

――具体的な支援先は。

「在庫の問題になると名前を公表したくないという企業がほとんどです。公表してもいいと言ってくれたのは、雑貨店のヴィレッジヴァンガードコーポレーション、オンキヨーなどわずかです」

――昨年からコンサルティングも始めました。

「在庫がたまっている状態は結果にすぎないんです。本質的な問題は、ガバナンスにある場合も。なので経営の中身に切り込んでいきます。処方箋はさまざまで、強者が弱者を飲み込んで海外に打って出る、あるいは、規模を縮小して差別化して生きる。円滑に構造改革を進め、生き残りの道筋を示します」

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧