50歳は最後のチャンス 「試してみる」で人生変える『50歳からのゼロ・リセット』

50歳という年齢にどんなイメージを持つだろうか。転職が大変、役職定年やリストラが心配……経験を積んだ“ベテラン”であるがゆえに、そんな心配をする人も多いだろう。

ところが、実は50歳は「自分を変えるチャンスである」と説くのが本書『50歳からのゼロ・リセット』だ。人生の折り返しにあたるこの年齢になったら、意識してこれまでの価値観や経験則を「手放し(リセットする)」、変化を受け入れることで、大きな可能性が広がっていくという。

著者の本田直之氏は、外資系企業を経て、ベンチャー企業への投資育成事業をメインに大学教員、著述業、イベントプロデューサーなど多方面で活躍。自らも50代だ。

休日に「複業」のススメ

著者によると、50歳は自分を変える「最後のチャンス」でもあるという。会社員ならば「組織という後ろ盾」を活用しながら、つまり給料をもらいながら、これからの幸せな生き方に向けた実験や試行錯誤を始められるタイミングなのだ。

人生の選択肢を広げるために、例えば休日に「複業」をするのもおススメだという。自らの経験をブログや交流サイト(SNS)を通じて発信してみたり、培ったノウハウを生かして講師業をするなども良い。金銭につながらなかったとしても、会社外の人間からフィードバックを得ることで、これまで身に付けたスキルが今後も通用するかどうかの試金石になり、定年退職後の身の振り方をイメージできる。またNPO、地域のボランティア活動への参加も、その後の生き方を考えるきっかけになるだろう。

お金よりも好奇心を大事にしよう

人生の後半戦を充足させるために何より大切なもの。それは「好奇心」だと著者は説く。定年後や老後が心配だから何とかしようという危機感から行動したのでは、結局「やらされ感」が残り、長続きしないものだ。だが、「知らないことを知りたい」「何かを学びたい」という素直な好奇心から動けば、人間は真剣に取り組む。つまり50歳からの人生を可能性にあふれたものにするためには、好奇心を取り戻すことが大事なのだ。

好奇心が鈍ったと感じるときは、「とりあえず試す」。著者は、子ども世代をまねて、スマートフォンなどで使う音声アシスタント「Siri」といった新しいテクノロジーをあえて積極的に試しているそうだ。また、テレビで見て「行きたい」と思った場所には翌週旅に出かけるなど、好奇心を鈍らせないように即行動につなげることが大切だという。

著者いわく「人生は壮大な実験」。実験には「やってみたい」という好奇心が欠かせない。しかも好奇心は子どものときから誰もが持っているもの。本書を片手に、もう一度自分にとっての「ワクワク」を思い出してみたい。

今回の評者=倉澤順兵
情報工場エディター。大手製造業を対象とした勉強会のプロデューサーとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。東京都出身。早大卒。

50歳からのゼロ・リセット (青春新書インテリジェンス)

著者 : 本田 直之
出版 : 青春出版社
価格 : 972円 (税込み)

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