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ヒット生むナムコのDNA 「並々ならぬ熱意」が原点 バンダイナムコホールディングス 元会長 石川祝男氏(1)

2019/8/9

■「元気よく暴走しなさい」の意味

バンダイナムコグループには誰でも挑戦できる風土が根付いています。意識して全社員に伝えていたメッセージが「元気よく暴走しなさい」です。何かトラブルが発生した場合は上層部が責任を取ります。社員には萎縮せずに、何事にも挑戦してほしいという思いを込めました。

私はよく社内を歩き回り、社員の相談に乗っていました。18年6月に会長を退任しましたが、若手社員が私に気軽に相談できる社内サイトを作りました。開設したのに相談が来なかったら悲しいと思いましたが、色々な意見や相談が寄せられています。自分の経験が社員の役に立てたらうれしいです。

バンダイとナムコは05年に経営統合しました。統合の話が出たときから私は誰よりも推進派でした。ナムコは技術に強みがあります。一方のバンダイはキャラクタービジネスが得意です。両社が一緒になれば素晴らしい商品ができるに違いないと確信していました。

18年4月には、私が入社した当時の「ナムコ」単独での“屋号”がなくなりました。少し寂しい気持ちになりましたが、両社が経営統合して良かったと思っています。

■営業時代は失敗続き

ナムコに入社してから今年で40年(当時)がたちました。入社したのは、もともとゲーム好きだったからではありません。希望した教師になれず、偶然目にした求人チラシに引かれたのがきっかけでした。

最初に配属された営業時代はむちゃなことや失敗もたくさん経験しました。希望していたロボット開発時代も失敗の連続でした。テレビ中継では開発したロボットがうんともすんとも言わず、冷や汗をかきました。ロボットの腕が子供の頭に落下したこともありました。大きなケガではなかったことが幸いでした。

長い間結果を出せず、会社を辞めようと思ったこともあります。そんな私がワニワニパニックを思いついたのは、自宅のトイレで座っていた時でした。こだわった「パニック」という名前は、実は幼少期に死にかけた体験から着想を得ているのです。

石川祝男
いしかわ・しゅくお 1978年関西大文卒、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)入社。2006年バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)社長に就任。09年バンダイナムコホールディングス社長、15年会長、18年6月顧問、19年6月退任。山口県出身。

[日経産業新聞 2018年10月3日付]

「仕事人秘録セレクション」は金曜更新です。

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