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自身で企画して大ヒットした「ワニワニパニック」の企画書

自身で企画して大ヒットした「ワニワニパニック」の企画書

2018年6月にバンダイナムコホールディングスの会長を退任した石川祝男氏は、文化の異なるバンダイとナムコの経営統合に誰よりも前向きで、両社の文化融合に尽力しました。石川氏が社員に伝え続けた「元気よく暴走しなさい」というメッセージでした。その石川氏の「仕事人秘録」。第1回では、ヒットにつながる挑戦について語ります。

(2)恐怖体験、後の商品名に 遊園地でゲーム機に触れる >>

若手社員に「どうすれば大ヒットを生み出せるか」とよく聞かれます。40年間この業界にいた私の率直な感想をお話しします。それはたった1人の並々ならぬ熱意です。

まず大ヒットとはなんでしょうか。私は固定概念を覆す「非連続性」と、それ以前の常識を壊す「破壊力」を持つものだと考えます。その商品を使う人に感動と驚きを与え、世の中にある種のムーブメントを起こすものです。

熱意が大ヒットの原動力であることに懐疑的な人もいると思います。でも、大ヒットは少数派から生まれます。7~8割の人が賛同するアイデアはヒットはしても、大ヒットにはならないでしょう。多くの反対にも断念せずに、この小さな情熱をいかに周囲に伝染させていくか。その動力になるのが「熱意」です。

「太鼓の達人」の誕生秘話

私が29年前に開発した「ワニワニパニック」がそうでした。上司に企画書を見せてボツになりましたが、どうしても諦めきれず、その日のうちに段ボールやスリッパで模型を作りました。BGMは私の即興曲です。嫌がる上司に体験してもらうと、「面白いじゃないか」と表情が明るくなっていきました。まさに熱意が伝染した瞬間でした。

今やゲーム施設の目玉となっている「太鼓の達人」も同じです。統合前のナムコの役員時代、正式な商品化がなかなか決まらなかった若手社員が、コッソリ作った試作機を私のところに持ってきました。直感的に面白いと思い、すぐに本格的な試作機を作らせました。

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