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納得できるウイスキーを目指し試行錯誤が続く(右端が輿水氏)

納得できるウイスキーを目指し試行錯誤が続く(右端が輿水氏)

サントリースピリッツの名誉チーフブレンダー、輿水精一氏の「仕事人秘録」。第9回ではブレンデッドウイスキーの新商品開発事情を語ります。

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新しいブレンデッドウイスキーの開発もブレンダーの仕事だ。

国内市場では、大麦を使ったモルト原酒だけでつくるシングルモルトウイスキーの伸びに比べて、トウモロコシなどを使ったグレーン原酒も配合するブレンデッドが苦戦してきた。しかし、世界市場ではブレンデッドも緩やかだが成長している。ウイスキーのうまさは多彩な原酒をブレンドした妙味にあるとの思いが強い。これはというブレンデッドをつくりたい気持ちが常にあった。

新製品はマーケティング部門が提案したコンセプトを受けて開発に取り組むことが多い。これまではその過程で世界市場をあまり意識してこなかった面がある。日本の市場や消費者を念頭に置くのは当然だが、海外の飲み手をもっと考えた商品づくりをすべきではないかと思うようになった。最初から想定すれば、出来上がるものが少し変化するのではないかという気がするのだ。

例えば、日本ではウイスキーを水割りにするなど独特のスタイルが定着したが、世界に目をやるとストレートで楽しむことも多い。水割りでうまければストレートでもうまいのだが、そのまま飲むことをより考慮すれば、求められる香りや味わいが違ってくるかもしれないという具合だ。

ロシア、米国、中国、台湾などで日本のウイスキーを紹介する機会があったが、正直に言うと一般の認知度はまだまだと感じた。しかし、実際に飲んでもらうと良さを理解してもらえ、手応えは得られた。シングルモルト「白州25年」は、世界市場で勝負するという意気込みで仕上げた。

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