その助言、実は占師の手口 悪質コンサルに気をつけろ第35回 バーナム効果

バーナム効果の典型が血液型占いです。科学的な根拠や因果関係がまったくないことは学術的に証明済み。信じているのは世界中で(一部の?)日本人だけだ、という話は前にもしました。

血液型占いでは、A型はきちょうめん、B型はマイペース、O型は大ざっぱ、AB型は個性的とされています。そう言われると、自分に当てはまっているような気がします。

しかしながら、人間誰しもこれらの性格をある程度は兼ね備えているものです。時と場合によって使い分けるのが普通の大人の振る舞い方です。

なのに、「私にピッタリ!」「やっぱりあの人は」と思ってしまうところが、バーナム効果のなせる業です。そこに、自分に都合のよい情報ばかりを集めがちになる確証バイアス(第12回「企画を理解できないダメ上司 それは本当に正しいか 」参照)も働き、ますます信じるようになってしまいます。

動物占いや星占いをはじめ、多くの占いでこの効果は使われています。実際、フォアラーの実験では、星座占いで使う文章を組み合わせたものを用いました。

もちろん、非科学的な思い込みであっても、何か人生の役に立つのなら、私がとやかく言う筋合いではありません。他人に迷惑をかけない範囲でお好きにやってください。

バーナム効果を高める4つの条件

バーナム効果を効かせるにはいくつかの条件があります。これらが兼ね備えられたときに、相手は信じやすくなります。

1つ目は、誰にでも当てはまるよう、どちらとも取れる表現をすることです。これを「マルチプルアウト」と呼びます。冒頭のテストはまさにそのオンパレードです。

よく読めば、文章の前半と後半は相いれない内容となっています。ところが、「○○の面もある」「こと(とき)もある」「感じている」と曖昧に書かれると、両立できてしまいます。こんな風に、どのようにも解釈できる表現をすることが最大のポイントです。

2つ目に、個人に向けてメッセージを出すこと。「このコラムの読者は」と不特定多数に対するよりも、読者の皆さん一人ひとりにプロファイリングの結果を伝えれば、信じる人が増えたはずです。今回はそれができず、せめて主語を「あなた」としたわけです。

3つ目に、権威の力を借りることです。冒頭のテストでわざわざ「アメリカの著名な心理学者」と書いたのは、それが理由です。もちろん嘘です! 特に相手が弱っていて、わらにもすがりたい気持ちでいるときは、権威の力は大きいものがあります。

4つ目に、ポジティブな内容にすることです。人間誰しも「自分を肯定したい」という気持ちを持っています。ネガティブな内容を告げられると、「自分はそうではない」と拒絶する気持ちが芽生え、効果が働きにくくなります。

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