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質問の答えに困ってしまうケースは珍しくない。写真はイメージ=PIXTA

質問の答えに困ってしまうケースは珍しくない。写真はイメージ=PIXTA

若い読者に向けたメディアでしばしば目にする記事に、「相手に質問することでコミュニケーションをスムーズに」といったたぐいのものがある。たとえば、「相手の出身地を尋ねてみよう。故郷の話を問われて、悪い印象を持つ人はいない」「休日の過ごし方を入り口に、相手の趣味を聞けば、さらに相手が喜び、その後の会話も弾むこと間違いなし」といった具合だ。なるほど、そうかもしれない。

だが、そう思う一方で、「問うリスク」、すなわち「質問すること自体が、むしろ配慮を欠くことになる懸念」にも触れておいたほうがよいと思う。上の例で言えば、故郷での「失敗だらけの青春時代」など、思い出したくもない人だっていなくはないだろう。休日の過ごし方や個人的な趣味など、「私」の領域には踏み込まれたくない人がいておかしくない。

話題の踏み込みすぎ、理由の掘り下げは要注意

むやみと質問を繰り出してくる相手のことを、「不快だ」「付き合いたくない」と感じて、ネガティブな反応を示す人は、そう珍しい存在ではなさそうだ。

「あ、そのバッグ、カッコいいですねえ」。この程度の問いは「気遣い表現」ともいえそうだが、話し手が調子に乗って「どこで買ったんですか? ブランドは何ですか? 値段はいくらしました?」と矢継ぎ早に質問を繰り返せば、事情が変わってくるだろう。

「あたりさわりのない質問で、初対面でのぎこちないコミュニケーションを回避できた」「コミュ力の優れた人だ」などと前向きにとらえてくれる人より、「居心地の悪い会話の場から抜け出したい」と感じる人のほうが多くなってしまいかねない。

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