気になる「続きは明日」 ドラマも仕事もプラス効果第33回 ツァイガルニク効果

ネット記事でタイトルが狙っているのは……

今回はこの連載のタイトルを素材に考えてみたいと思います。この種のコラムには工夫凝らしたタイトルがつけられるのが常です。たとえば、以下のなかで、一番読みたい気持ちになるのはどれでしょうか。

(1)連続ドラマに学ぶヒットの法則 続きを知りたい気にさせよう!

(2)連続ドラマに学ぶヒットの法則 “未完”で終われば離れられない!

(3)連続ドラマに学ぶヒットの法則 ○○されるともう離れられない!

本稿を読み通せば分かりますが、今回の中身を的確に表しているのは(1)です。内容を一言でまとめており、新聞の見出しによくあるパターンです。しかしながら、これだとタイトルを見て「ふ~ん」で終わり。本文を読んでもらえない可能性が大です。

だったら(2)はどうでしょうか。手の内を完全には見せておらず、“未完“という言葉が興味をそそります。週刊誌の見出しは、だいたいこの手合いが多いです。

それに対して、(3)は文章としてはまさに完成していません。内容を知りたい人は続きを読まざるをえません。膨大な情報があふれているネットの記事に多いのがこれです。○○と伏せ文字にするパターンに加え、「三位は渋谷、二位は新宿、一位は?」というやり方もよく見かけます。

それに、「本当のワケ」「意外な真実」「秘密の裏事情」「驚くべき正体」「語られなかったホンネ」「哀しい末路」「悲惨な大失敗」「潜む危険」「実際あった怖い話」「3つの極意(法則)」「超お手軽な秘策」といった言葉をつけると一丁上がり。皆さんも、そんなタイトルに思わずクリックした経験があるのではないでしょうか。

達成できなかったことは記憶に残り易い

何かの課題を達成しようとすると、そこに向けて注意や緊張が高まります。ところが、それが完了してしまうと緊張が解けると同時に、次の課題に関心が行くようになります。そのせいで、達成した課題を忘れやすくなってしまいます。

つまり、人は達成できなかったことや、中途半端で終わっていることのほうが、達成できたことよりもよく覚えているわけです。これが、心理学者B・ツァイガルニクが実験で明らかにした現象です。彼女の名前を取って「ツァイガルニク効果」と呼ばれています。

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧