ファミリーマートは2019年7月1日から自社のコード決済「FamiPay(ファミペイ)」を立ち上げる。サービス開始を前にその全貌が見えてきた。日本を代表する3大共通ポイントを足掛かりにして顧客情報を集約。決済データを小口融資や広告マーケティングにつなげる、極めてしたたかな戦略だ。

 ファミリーマートは2019年7月1日から公式アプリを「ファミペイ」という名称に変更する。名称からすると数あるコード決済サービスの1つのように想像しがちだが、「実は、決済機能も付いたスマホアプリだ」とファミリーマートの植野大輔・デジタル戦略部長。コード決済だけでなく、ポイントカードや割引クーポン、購入履歴を確認できる電子レシート機能を備えている。アプリの全貌を一足早く紹介しよう。

アプリは「ファミペイ」とカタカナで、決済機能は「FamiPay」とアルファベットで表記する
アプリは「ファミペイ」とカタカナで、決済機能は「FamiPay」とアルファベットで表記する

 まず肝となるバーコード決済機能は、FamiPayとアルファベットで表記する。店頭での現金チャージに加えて、「ファミマTカード(クレジットカード)」からのチャージにも対応する(ひも付けによる利用代金の後払いも検討中)。クレジットカード利用により0.5%分のTポイントがたまり、ユーザーにとっては現金チャージより得になる。同カードの発行会社であるポケットカード(東京・港)はファミリーマートやその親会社である伊藤忠商事が出資する、いわばグループ会社だ。

 秋からは銀行口座との連係も始まる予定。これには送金・決済アプリ「pring」を運営するpring(東京・港)のシステムを活用するという。同社に対しても、伊藤忠商事とともにファミリーマートは傘下のUFI FUTECH(東京・港)を通じて出資している。他社クレジットカードからのチャージに対応する予定はなく、決済手数料をグループ外に流出させない意図が伺える。一方、ユーザーに対しては0.5%相当をボーナスとして還元するという。

対応するクレジットカードはグループ会社発行のものに限られる
対応するクレジットカードはグループ会社発行のものに限られる

 機能の2番目はポイントカード機能だ。11月に、Tポイントに加えてdポイントと楽天スーパーポイントにも対応する。新たに2つの共通ポイントを導入するのは、顧客層をより広げるためにファミリーマートが「オープン主義」へと戦略を大転換したためだ。

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