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東急ハンズの末廣三知代さんはほとんどの売り場を経験した

東急ハンズの末廣三知代さんはほとんどの売り場を経験した

DIY(日曜大工)やハンドクラフトを日常的に楽しむ人が増えている。DIY素材から生活用品まで幅広い品ぞろえの東急ハンズは都市型大型雑貨店の老舗だ。ネットショップが興隆する時代に実店舗でモノを売る醍醐味、小売業の舞台裏などを、21年のキャリアの変遷とともに、渋谷店グループリーダーの末廣三知代さんに聞いた。

◇  ◇  ◇

東急ハンズの創業は1976年で、現在ある店舗の中では私が働いている渋谷店が最も古く、78年に開店しました。木材や金具、工具など手作りに関連するパーツ類を揃えるほか、ステーショナリー(文房具)、生活用品、パーティーグッズなど、幅広い商品を扱っています。

若者の街として知られる渋谷ですが、渋谷店は今40~50代以上の男性のお客様が主で、次に多いのはインバウンド(外国人観光客)のお客様です。

売り場ではワークショップイベントが軒並み人気。自分で作ることを楽しむ人が多いことを感じます。逆に以前ほど売れないのがキッチングッズ。共働きの世代が増え、外食するだけでなくお惣菜などをテイクアウトする中食が増えたことなど、生活スタイルの変化が影響していると思います。

初配属先はDIY売り場

入社して21年。新宿店と渋谷店を通じて、ほぼ全ての売り場を経験してきました。初めて配属されたのはDIY売り場の金物部門。キャスターの担当でした。

キャスターの知識を持ち合わせていなかった私は、カタログを読みあさったり、メーカーさんのところへ勉強に行ったり。お客様にも育ててもらいました。教本やマニュアルはなく、今で言うOJT(現場実務を通じたトレーニング)で全てを身につけていきました。

その後も、フック、郵便ポスト、網戸、懐中電灯、スタンドライトなどを担当。担当商品が変わるたびに勉強し、知識と売り場経験を増やしていきました。

「選んで仕入れて売る」 ない商品は作り出す

複数の大規模店舗を持つ総合小売店の業界では、仕入れと販売は分業するのが一般的です。しかし、当時の東急ハンズは商品ごとに細かく担当が決まっていて、担当者がそれぞれに仕入れ、発注、陳列、接客を行っていました。

商品は担当者が自分で選び仕入れるため、店舗によって品ぞろえが違うのは当たり前。同じ東急ハンズでも別店舗はライバルのような存在でした。自分で仕入れて、自分でPOP(売り場に掲げる宣伝文句)を考え、自分で接客してモノを売る仕事はとても楽しかったです。

室内照明を担当していたころに、シャンデリアやランプシェードがはやったことがありました。1万円以下で手軽に買える商品へのニーズを感じ、商品製造元と共に布問屋へ行き、キラキラした布を購入。オリジナルシェードを商品化して販売したところ、これが大好評。別店舗から「うちでも売りたい」とオファーがくるほどのヒット商品になりました。

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