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仕事ゴコロ・女ゴコロ

手作り愛を支えるよろこび 東急ハンズの「売り場魂」 東急ハンズ 渋谷店グループリーダー 末廣三知代さん

2019/6/26

■勇気ある撤退で、傷を浅く

私が統括しているフロアでは、約45日ごとに売り場を大きく模様替えします。模様替えを行う間隔はグループリーダーの考え方によって異なります。模様替えは、閉店してから翌日のオープンまでに行わねばならない大仕事。現場は大変ですが、売り場づくりは楽しいです。

私は先々のビジョンを描くよりも、目の前のことを一生懸命にやるほうが好きです。もちろん仕事では中長期的な販売計画を立てて動きますが、店頭の企画でも、まずやってみます。

売り場に立つ仕事の醍醐味を伝えていきたいと感じている

ただし、反応が鈍かったり売り上げが見込めなかったりしたら、早めに打ち切る決断をします。もちろん関係各所との約束ごとなどもありますから、規模を縮小したり、形を変えたり工夫をしながらですが、ダメとわかったものをそのままにはしません。勇気ある撤退をして早めにリカバリーし、大きなダメージにしない。そうすることで、また新しいチャレンジができます。

売り場を一度離れたからこそ強く感じますが、自分が担当する売り場でモノが売れていくのは本当にうれしいものです。新商品を陳列したときのドキドキワクワク感、目の前のお客様に喜んでもらえるうれしさはこの仕事の醍醐味だと思います。そうした魅力を後輩たちにもっと伝えていきたいです。

■母の介護が仕事の「気づき」に

勤務体制はシフト制です。私は2週間に1度、2.5連休を取っています。母の介護のために片道約8時間かけて実家の愛媛県へ帰るためです。2012年からこの生活を続けていますが、これが思いがけない仕事のヒントをもたらしてくれています。

移動中に読んだ情報誌で魅力的な商品に出合い、新商品として取り扱いが始まったり、田舎の祖父が手入れする盆栽の美しさに感動して「盆栽カフェ」を企画して大きな話題を呼んだり。東京と愛媛を行き来する暮らしは楽ではありませんが、大切な時間です。休みを確保するために早め早めに仕事をするようになり、働き方も変わりました。母の存在は頑張るモチベーションのひとつにもなっています。

人事異動や家族の出来事をはじめ、突然ふりかかってくる大小様々な課題はありますが、ゲームをクリアするように楽しみながら一生懸命乗り越えていくと、いろんなことがプラスに働いてくれる。そう感じています。

■取材後記

「ハンズの社員はこだわり派でマニアックな人が多いです」と笑う末廣さん。取材を行った部屋にかかっていた絵の留め具(会社の備品)を見て「これじゃなくて、もっといい金具があって……」と話し始めた姿は、まさに発言通りのハンズの人でした。自転車売り場以外はすべて経験したという末廣さんに、もう一度担当したい売り場を伺うと「DIY売り場」と即答。「DIYの裾野が広がり、100円均一ショップなどの素材で手軽に手作りを楽しむ人が増えました。少しだけ素材やディテールにこだわると、ぐっと素敵なものができます。自分が作ったお気に入りのものに囲まれた暮らしをもっと多くの人に楽しんでほしいです」

末廣三知代
東急ハンズ 渋谷店グループリーダー。1998年、東急ハンズ入社。新宿店でDIYフロアを担当。2005年から庶務課。12年から渋谷店にてバッグ&トラベル、ステーショナリーなどのフロア主任・マネージャーを歴任。17年から現職。

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