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バングラデシュの縫製産業では労働環境の改善が継続的な課題だ(首都ダッカ郊外の縫製工場)

バングラデシュの縫製産業では労働環境の改善が継続的な課題だ(首都ダッカ郊外の縫製工場)

最近、「エシカル消費」という言葉をよく耳にするわ。地球環境や人権などに配慮した商品を買ったり、利用したりすることみたいだけど、企業はどう対応しているのかな。

エシカル消費の現状や企業の取り組みなどについて、斉藤嘉子さん(56)と山口恵里さん(28)が田中陽編集委員に聞いた。

――そもそもエシカル消費とはどんなものですか。

エシカル(ethical)とは英語で「倫理的な」という意味です。「良識的に考えると、こうではないか」と多くの人が考える消費活動で社会的な模範のようなものです。他人のことを思う利他的な行動も含まれます。

途上国の生産者と適正で公正な価格で取引することで経済的な自立を促す「フェアトレード」やオーガニック(有機栽培)など環境や人、社会に配慮した商品やサービスを買ったり、利用したりすることもエシカル消費です。

英国で倫理的消費者を意味する「エシカルコンシューマー」という専門誌が1989年に創刊され、エシカル消費という言葉が広まったとされます。国連が2015年から、「SDGs(持続可能な開発目標)」を掲げるなど、世界でエシカルへの関心が高まっています。

――日本でエシカル消費が広がり始めたのはいつごろからですか。

売り上げに応じて、途上国に清潔な水を供給するというミネラルウオーター「ボルヴィック」のキャンペーンが07年に始まり、認知度が高まりました。東日本大震災を契機に、東北地方が産地の商品を買う「被災地応援消費」や売り上げの一部が被災地に寄付される商品を買う動きが一気に広がりました。

途上国や被災地の支援のほか、経済のグローバル化や東京一極集中、人口減少などで疲弊する地域経済の活性化といった課題も含め、消費者が果たし得る役割としてエシカル消費が注目されています。消費者庁は15年に研究会を立ち上げ、エシカル消費の研究・普及に取り組んでいます。

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