昼の結婚式にタキシード? 知っておきたい2つの基本失敗から学ぶ正しいフォーマルの装い(下)

プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

真のフォーマルウエアのルールにはまず基本の2つがあります。ひとつは「フォーマル(正礼装)か、セミフォーマル(準礼装)を身につける」ということ、もう一つは「日中と夜のスタイルを厳密に分ける」ということです。この2つのルールの掛け合わせ(フォーマル・セミフォーマル×昼・夜)で、まず男性フォーマルウエアに単純に考えて4種類あることがわかります。(1)正礼装・夜 (2)正礼装・昼 (3)準礼装・夜 (4)準礼装・昼――です。

準礼装・夜は「タキシード」。タキシードはあらたまったオシャレな雰囲気から、最近愛用する人が増えています=PIXTA

(1)正礼装・夜は「燕尾(えんび)服」。このドレスコードで有名なのは、ノーベル賞の授賞式とディナーですね。皆が正礼装で集う様は荘厳で、賞の権威や伝統、人々の栄光や功績を感じさせてくれます。

(3)準礼装・夜は「タキシード」。先日トランプ大統領が来日したときの歓迎宮中晩さん会はタキシードでしたね。歓迎と敬意という心情を表しながらも、親しみのあるフランクな雰囲気をつくりたくて「準礼装」にされたのでしょうか。

対して、(2)正礼装・昼は「モーニング」。新郎新婦のお父様がよく身につけられます。後ろにテールがついた上着と縞ズボン(コールパンツとも呼ばれます)のスタイルです。内閣組閣のときの認証式に男性閣僚の服装でもありますね。

そして(4)準礼装・昼は「ディレクターズスーツ」。やや長い上着と同じくコールパンツの組み合わせです。あまりなじみがないかもしれませんが、新郎新婦の兄弟などの家族、媒酌人や仲人、直接の上司などの「両親ではないが、ちょっと立場が特別な人」は、昼間の結婚式ではこれを身につけることが多いです。

夜にモーニングやディレクターズスーツを着るのは間違い、昼間から燕尾服やタキシードを着るのは間違い、ということになります。

さすがに日本では新郎以外のゲストが燕尾服を着用するような機会はまずないと思いますが、タキシードはあらたまったオシャレな雰囲気から、最近愛用する人が増えていますので、「夜」の礼装というのは覚えておいてください。

正礼装・昼は「モーニング」。新郎新婦のお父様がよく身につけられます=PIXTA

■「インフォーマル」だけど、一番活躍するブラックスーツ

失敗5.ブラックスーツ、「ただの黒いスーツ」と勘違い
ドレスコードでは、「黒いスーツに白いネクタイ」は厳密にはフォーマルウエア(礼装)ではなく、インフォーマルだが便宜的にフォーマルシーンで使える服装「略礼装」とお伝えしました。

すでにご説明したように、略礼装だから「着てはいけない」とか「着るのは良くない」ということではありません。少なくとも日本ではごく一般的な結婚式の参列スタイルであり、それだけに十分に祝意や敬意が伝わるスタイルだからです。ただし、海外などで「フォーマル」と指定された場合は、略礼装では通じないときもあります。ですから、頭の中で分けて分類しておいてください。

ただ、「白ネクタイ」はあまりおしゃれとは言えません。シルバーグレーのストライプや小紋などをおすすめします。

そしてもう一つ、「大人の知識」として知っておいていただきたいのは、略礼装で「ブラックスーツ」と呼ばれるものと、普通の黒いスーツは違いがある、ということです。

なぜ「大人の知識」というかというと、若い頃は経済的なこともありますし、手持ちの黒いスーツを結婚式などのフォーマルシーンに着回すのはまだ許されるかなと思うからです。しかし、年を重ね、役職などが上がると、いつまでもそのような着回しではやはり子供っぽく見えます。人にとって大切な場面「フォーマルシーン」でふさわしいものを身につける「着分け」が必要になってくるでしょう。

略礼装として作られている「ブラックスーツ」は、布地に少し光沢がある、ボタンは1つ、ベントはない(サイドベンツの場合もあり)、ポケットにフラップがない、など通常のビジネススーツとは少し違う特徴があります。ビジネススーツは機能的に動きやすいようにできているのと比べ、室内で優雅に動くことを想定された形です。また、襟は威厳が感じられるピークドラペル(剣襟)が一般的です。また、パンツの裾はシングルカットです。

SUITS OF THE YEAR 2019
男と女 ときめくギフト
Watch Special 2019
SUITS OF THE YEAR 2019
男と女 ときめくギフト
Watch Special 2019