「結婚式」をイメージしやすい6月。おめでたいイベントですが、招かれると、とたんに「どうしよう」と思うのが服装です。前回「周りから冷たい視線…結婚式お呼ばれのNGスタイル」に引き続き、「できる男」にふさわしい「結婚式のスタイル」と「フォーマル」の考え方について、あらためて一緒に考えていきたいと思います。今回は、そもそもの服装ルールやマナーである「ドレスコード」もふまえて、実際に何を着用すべきかを見ていきましょう。
前回、結婚式のお呼ばれスタイルの代表的な失敗例として次の5つをあげました。
2.実はカジュアルアイテムなのに知らずに着用
3.アニマル革、カジュアル革の小物使い
4.タキシード、いつでも着てよいと勘違い
5.ブラックスーツ、「ただの黒いスーツ」と勘違い
このうち1~3についてはすでに詳しく解説しましたので、4、5について見ていきましょう。
■「フォーマル」について知っておきたい、これだけのこと
失敗4.タキシード、いつでも着て良いと勘違い
「フォーマル」は私たちの生活にとっては特別感があり、そうそう頻繁には登場してきません。それにもまして結婚式は、ほぼどこの国でも、もっとも格式が高いとされるフォーマルシーン。ですから、参列の装いはどうすべきか、わかっているようで迷いますよね。多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「黒いスーツに白いネクタイ」ではないでしょうか。
さて、いちばん無難とされる、このスタイル。実は正式なドレスコードとしては、「フォーマル」の範疇(はんちゅう)に入らない、と言ったら驚かれるでしょうか。
「ドレスコード」とは、服装ルール、マナーですね。日常でもよく使う言葉です。もともとは欧米に伝わる儀式や儀礼、社交などの各フォーマルシーンで、どんな服装を身につけるべきかを厳格に決めたルールのことを指していました。
現代、よく口にされる「ドレスコード」は、日常シーンまで広範囲に含む意味に使われますが、広範囲になったのは、フォーマルシーンから徐々に人々の生活の変化に合わせて、派生したものと言えるでしょう。特定のコミュニティー内で独自に作ったものもありますが、本来はフォーマルがベースになっています。ですから、欧米の宗教的な伝統、儀礼や儀式などの文化が根底にあります。しかし、日ごろ洋服を着ている私たち日本人にとっても、洋服国で生まれた洋服のルールとして尊重すべきルールです。ある程度理解しておきたいものです。
その「洋服国のドレスコード」で、「黒いスーツに白いネクタイ」は厳密にはフォーマルウエア(礼装)ではなく、「インフォーマルウェア(礼装でない服装)」です。だから良くないということではありません。少なくとも日本では十分に祝意や敬意が伝わるスタイルです。しかし、グローバルに通用する本来の「フォーマルウエア」は別にあります。ぜひ知っておいてください。

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