プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

もう一つ、結婚式は新郎新婦が主役です。参列者は主役を引き立てることを考える必要があります。ですから、新郎新婦より目立つ格好になってしまうと、「場を読めない」印象になります。主役を引き立てる心遣いがなければ「大人」とはいえません。そういった意味では、新郎新婦の色である「白」をスーツに用いてはいけません。(参列者の女性のドレスも白はタブーです)

フォーマルでは靴は黒。かなりカジュアルなコーディネートでない限り、茶靴はダメです。そして穴をあけた装飾がある「ブローグ」もきちんとしたフォーマルシーンには向きません。

穴をあけた装飾がある「ブローグ」もきちんとしたフォーマルシーンには向きません=PIXTA

また、一時期「くるぶし見せ」が流行ったせいか、結婚式までそれで参列する人も見かけました。これは「カジュアル指定」でも遠慮すべきです。海辺やプールサイドならまだしも、結婚式はご家族やご親戚なども参列する儀式的な場面ということを忘れるべきではありません。フォーマルでは靴下は目立たない黒を履くことが原則です。

職場の同僚、先輩やリーダー、上司、という立場にあるならなおさらです。自分を招いてくれた当人だけでなく、新しくその人のパートナーになる人、新しく家族・親戚になる人、そして、もしかしたら遠からず縁がある人もその場にいるわけです。「場を読めない人」「場をわきまえる節度の無い人」という印象を与えてしまっては、自分だけでなく自分を招いてくれた人にも良いことはありません。「どういう場面か」「自分の立場としては何がふさわしいか」を忘れずにスタイルを決めてください。

それに、本人ははやりだからかっこいいと思っていても、周囲の人、特に女性は冷静に男性の「大人度・洗練度」を見極めています。色々な女性の話をお聞きすると、「カラフル&ファッショナブル」はあまりうけていません。きちんとルールに沿ったシックな大人スタイルのほうが評価は高いですよ。

■実はカジュアル 使用注意のアイテム

失敗2.実はカジュアルアイテムなのに知らずに着用
結婚式は「フォーマルウエア」が原則です。しかし時々カジュアルなアイテムを知らずにフォーマルウエアに合わせているケースを見かけます。

ボタンダウンシャツはカジュアルシャツです=PIXTA

その一つが「ボタンダウンシャツ」です。以前、「スーツにボタンダウンは誤り!」でお伝えしましたが、ボタンダウンシャツは、カジュアルシャツにカウントされます。スーツに合わせるときも、いくぶんカジュアルなタイプのスーツや米国調のラインには合いますが、英国調を基調とする伝統的なスタイルには合いません。ですから、当然フォーマルウエアには合わせるとおかしいものなのです。

結婚式などのセレモニーで着用するのは、礼服に用いる「ウイングカラー」以外なら「レギュラーカラー」をおすすめします。昨今のスタイルではセミワイドカラーなどもいいですが、ノーマルなスタイルとしてはレギュラーカラーが一番です。

そして、もう一つ注意したいカジュアルアイテムが「クレリックシャツ」です。襟と身頃の色や柄が違うシャツで、白い襟に、よくブルーなどの色身頃、ストライプなどの柄身頃が組み合わされたシャツです。身頃と同系色のネクタイをしたりすると、かっこいいですね。オシャレな方は1枚は持っているようなシャツです。

「クレリック」は英語で「聖職者」という意味ですが、この呼び名のせいなのか、結婚式で着ている人を多く見かけます。しかし、このシャツもボタンダウンと同様、「カジュアル寄り」です。昼間の「カジュアル指定」の結婚式でしたら、オシャレなコーディネートとして「アリ」だと思いますが、通常の結婚式、それも夜の時間帯ではカジュアルすぎます。

THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!

Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら