ライフコラム

ニッキィの大疑問

ブラックホール撮影で何が見えた 銀河誕生の解明に光

2019/6/10

――これまでの理論が変わることもあり得ますか?

今回撮影できたブラックホールはM87という銀河の中心にあり、質量は太陽の約65億倍。星1つの寿命の終わりにしては大きすぎます。巨大ブラックホールがどのようにできたかはまだ謎です。一方で巨大ブラックホールの大きさは銀河の大きさと相関関係があります。今回の成果から研究が進めば、銀河の成り立ちもわかるかもしれません。

ブラックホールの見え方は理論で予想されています。今回撮影した画像は、まだぼんやりしていて詳しく比較できません。でも将来、詳細な画像と理論で導き出した予想に違いがあれば、相対性理論を見直さなければいけません。

数十年前は、宇宙は将来、速度が遅くなりながら膨張を続けるか、収縮するかのどちらかと考えられていました。でも20年ほど前、宇宙の膨張は速度を増しているとわかりました。速度を増すにはエネルギーが必要ですが、どんなエネルギーなのかまったく正体が分かっていません。

その正体を明らかにしようと、最近、素粒子論の物理学者と天文学者が手を組んで研究を進めています。もしかすると次の世代の教科書に書かれる宇宙は、今と違うものになるかもしれません。

――今後も宇宙の新たな発見はあるのでしょうか。

2019年初めに中国が月の裏側に到達。はやぶさ2や米航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機は、小惑星からサンプルを持ち帰ろうとしています。はやぶさ2は20年に地球に帰還する予定です。

20年には火星が地球に近づき、探査機が欧米やアジアから打ち上げられる計画があります。21年にNASAが巨大な宇宙望遠鏡を打ち上げる計画も進み、より遠くの宇宙が観測できるようになります。近い将来、新しい発見が相次ぎそうです。

■ちょっとウンチク

ゆっくり蒸発、消えゆく運命

なんでも吸い込んで出られなくなるブラックホール。最後はどうなってしまうのか。その答えは「蒸発してなくなってしまう」。答えを出したのが、車いすの天才として有名なホーキング博士だ。

博士は一度吸い込まれると何も出てこられないと考えられていたブラックホールから、実はほんのわずかだが熱が漏れ出していることを理論的に明らかにした。このためブラックホールは少しずつエネルギーを失い、最後はなくなってしまう。ただ蒸発のスピードはとても遅く、今回撮影された巨大ブラックホールが消えるのは宇宙の年齢よりもずっと遠い未来のことだ。(編集委員 小玉祥司)

■今回のニッキィ
佐川 裕子さん 会社経営。エチオピアの火山を見る旅に出かけた。砂漠の夜、空には見たことがないほどたくさんの星が瞬いていた。「泊まっていたテントでまぶしくて目が覚めたら月光でした」
菅原 直美さん 駐車場会社勤務。有休で「RPA」(ロボティック・プロセス・オートメーション)のセミナーへ。大手企業などで注目されるが「中小企業にはコスト面で厳しいかもと思った」

[日本経済新聞夕刊 2019年6月3日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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