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ブラックホール初撮影では日本人研究者の貢献も大きかった

ブラックホール初撮影では日本人研究者の貢献も大きかった

ブラックホールの撮影に世界で初めて成功したそうね。どうやって撮ったのかな? どんなことがわかったの? 宇宙の"常識"は、これからどんどん変わっていくのかな?

ブラックホールについて、佐川裕子さん(56)と菅原直美さん(41)が小玉祥司編集委員に話を聞いた。

――どうやって撮影したのですか?

宇宙にある星を撮影する場合、発する光や電波などを捉えて画像にします。ブラックホールは、光や電波が吸い込まれてしまい、出てきません。でも、その巨大な重力で周辺に引き寄せられたガスなどが明るく光ります。この光と対照的にブラックホールが影のように浮かび上がったのが今回の映像です。

5500万光年のかなたにあるおとめ座のブラックホールを撮影するため、地球全体の大きさの望遠鏡を仮想的につくりました。南極、欧州、米国など世界の8台の望遠鏡で、1億年に1秒も狂わない原子時計によりタイミングを合わせ、同日同時刻から4日にわけて撮影しました。

望遠鏡は直径が大きいほど細かく見え、面積が広いほど明るく見えます。今回は直径は大きくできましたが、実際に観測した望遠鏡は8つの点なので面積は小さく、とくに明るいブラックホールを選んでやっと撮影できました。

撮影したデータは望遠鏡1つにつき1日約350テラ(テラは1兆)バイト。大きすぎて通信網で送信できないので、人が運んで持ち寄り、コンピューターで2年かけて解析して写真を作りました。

――撮影できたことで何がわかりましたか?

まずは「本当にブラックホールがあった」という事実です。アインシュタインの相対性理論からブラックホールが存在することはおよそ100年前に予想されていました。1970年代ごろから間接的に存在することを示す観測が行われ、もしブラックホールが本当にあるならどう見えるのかの研究も進みました。周囲のガスが引き寄せられ明るく光ると思われました。

ただ、どれも理論上の話でした。今回、実際に見えた衝撃は大きかったのです。アインシュタインが正しかったことが裏付けられました。

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