働き方・学び方

知らないと大変!ビジネス法則

不都合な事実は都合良く解釈 なぜ職場は問題を先送り 第28回 認知的不協和

2019/6/5

皆さんの周りでも似たようなことが起こっていないことを祈るばかりです。変化が激しい時代だからこそ、認知的不協和に正面から向き合う勇気と覚悟が求められます。

■時には思いこむ力も大切

最後に、認知的不協和を前向きに活用する方法をお話しておきましょう。

実は私、食べ物の好き嫌いがまったくありません。嫌いな食べ物を一つひとつ克服していったからです。ちょっとしたコツを覚えれば、誰でもできます。

たとえば、旅先で苦手な食べ物を勧められたとしましょう。まさに認知的不協和の状態です。そんな時は、「あれだけ勧めているのだからおいしいに違いない」「ご当地の人はおいしいと感じているんだ」と自分に言い聞かせます。そうやって口に入れ、「うまい!」「絶品だ!」ととりあえず言うのです。すると、あれだけ嫌いだったものが、多少なりともおいしく感じるから不思議。

これは対人関係にも応用できます。苦手な人がいても、「この人は素晴らしい人だ」「自分に好意を持ってくれている」と認知を修正したら、それほど嫌がらずにつきあえるようになります。嘘だと思う方は、だまされたと思って一度やってみてください。

正直な話をすると、この連載も最初に依頼されたときは、あまり気乗りがしませんでした。とはいえ、受けると決めてからは、「勉強になる」「喜ばれる」「幅が広がる」など、認知を修正することにしました。おかげさまで、今では毎回楽しく原稿を書けるようなりました。

サラリーマンともなると、理不尽な仕事を押しつけられたり、部下にやらせたりしなければいけない場面に出くわします。意にそぐわない仕事をこなすためには、「好きだ」「楽しい」「役に立つ」と思い込む力も大切です。現実は自分の頭の中でつくり出すものでもあるのです。

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


働き方・学び方 新着記事

ALL CHANNEL