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知らないと大変!ビジネス法則

不都合な事実は都合良く解釈 なぜ職場は問題を先送り 第28回 認知的不協和

2019/6/5

にもかかわらず、次にやる人に面白い作業であることを伝えるようお願いをしました。それを20ドルの報酬をもらうグループと1ドルをもらうグループに分けて実験しました。

ミッション完了後、学生にあらためて作業が面白かったかどうかを尋ねました。すると、20ドルをもらった学生の評価は変わらなかったのに、1ドルしかもらえなかった学生の評価が高くなったのです。

理由は簡単です。20ドルの学生は、多額の報酬でつまらなさが正当化できました。ところが、1ドルではそれができません。仕方なく、「つまらなかった」という認知のほうを修正して、「意外に面白かった」と思うようになったのです。

■不協和に向き合う勇気と覚悟を持つ

「認知的不協和」の解消は、必ずしも悪いものではありません。突然の解雇、家族との死別、未曽有の天災など、どうしようもない事実を前に、そうしないと心が折れてしまうことがあります。

しかしながら、自分で対処できる問題なのに、他人や偶然のせいにしたり、問題がないようにごまかしてしまったりすることは感心できません。特に、組織全体で起こってしまうと危険です。

例を一つ紹介しましょう。先日、デジカメを買い替えようと量販店に行ってビックリ。売っているのは何十万円もする一眼レフばかり。いつでも持ち歩けるコンパクトなデジカメはほとんどおいてありませんでした。すっかりスマホに取って代わってしまったのです。

この話を以前カメラメーカーに勤めていた技術者にしたところ、なんと20年も前からその兆しに気づいていたそうです。飯のタネがなくなる一大事ですから、当然といえば当然です。

ところが、社内で警鐘を鳴らしたものの、誰も聞く耳を持ってくれなかったそうです。それどころか、「携帯電話のカメラは映りが悪い」「カメラ会社には技術のアドバンテージがある」「写真の文化は急には変わらない」と歯牙にもかけてもらえなかったとか。

しまいには、「そんなことが起きたら、我々には対処のしようがない。どうしようもないことは、考えても仕方ない」と言われる始末。ここまで認知を修正されては、返す言葉がありません。

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