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不都合な事実は都合良く解釈 なぜ職場は問題を先送り 第28回 認知的不協和

2019/6/5

■負け惜しみを生み出す心理

想像してみてください。自分より出世が遅かった同期が会社を辞めて、小さな会社を立ち上げました。風の便りによると、首尾よく経営を軌道に乗せることができ、羽振りもよいそうです。そんな話を耳にして、どのような思いを抱くでしょうか。

素直に友人の成功を喜べるなら結構。「まさかあいつが」「かなり苦労しているはずだ」「この先、どうなるか分からないよ」と思う人が、案外多いのではないでしょうか。

では、立場が逆だったらどうでしょう。あなたは、会社で順調に出世の道を歩んでいましたが、さらなるステップアップを目指し、会社を辞めて起業することにしました。ところが、予想しなかった苦労の連続で、今さらながら会社勤めの有り難さを身にしみて感じる毎日です。

多くの方は、「こうするしかなかったんだ」「会社に残っている連中は大変だろうな」「この苦労こそが自分の糧になる」と思うのではないでしょうか。自分の判断の正しさを後押しする方向に考えるのです。

いずれのケースも心の中のメカニズムは同じです。物事に対する受け止め方(認知)に矛盾が生じると、考え方を修正して、つじつまを合わせようとするのです。

前者では、友人の決断の価値を引き下げて考えることで、自分が取らなかった行動を正当化しました。悪く言えば「負け犬の遠ぼえ」です。反対に後者では、自分の判断の価値を引き上げて考えることで、自分が取った行動を正当化したわけです。

■不都合な事実を解消しようとする

人は、矛盾する認知を同時に抱えると、不快感を覚えます。この状態を、心理学者L・フェスティンガーは「認知的不協和」と名づけました。

ストレスを感じた私たちは、矛盾を解消しようと、考え方や行動を修正するようになります。不都合な事実は今さら変えられないので、都合のよいように認知のほうを修正して、心を安定させようとするのです。

たとえば、フェスティンガーはこんな実験をして一連の働きを確かめました。学生に単調な作業を1時間ほどしてもらいました。直後に感想を尋ねると、みんなつまらないと答えました。

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