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知らないと大変!ビジネス法則

業績悪化はトイレから歯止め 職場の蟻の一穴を許すな 第27回 割れ窓理論

2019/5/29

■「蟻の一穴」にならないために

割れ窓理論の少し違った使い方を紹介しておきます。企業変革や組織改革への応用です。

たとえば、業務の生産性を向上させるために、ITを活用した新しい仕事のやり方を導入したとしましょう。ところが、慣れ親しんだ仕事のやり方を覚えるのは面倒です。習慣化するまでは、かつてのやり方のほうがかえって速かったりします。そうすると、必ずルール違反をして、古いやり方を隠れて続けようとする輩が現れます。

これを放置していると、「なんだ、やらなくても許されるのか」と思う人が増え、いつまでたっても新しいやり方が定着しなくなります。上司や推進者は、ルール違反を厳しくチェックして、一切の例外なしに徹底させなければいけません。いわゆる「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策を取るのです。

仕事の成果についても同じことが言えます。たとえば、全社を挙げて働き方改革を実施し、部署ごとに総労働時間の削減目標を割りつけたとしましょう。1年間取り組みを続けたところ、ある部署では目標達成率が98%となりました。

ほぼ100%に届いているので、これでもよいように思う人がいるかもしれません。しかしながら、わずかといえ未達を許していると、「完璧でなくてもいいのか」と考える部署が出始めます。

いずれ、ズルズルと例外や特例を言い立てる部署が増え、全部足し合わせても全社目標に届かなくなります。安易に割れ窓を放置していると、元も子もなくなる恐れがあるのです。

ダムにできた小さな蟻(あり)の穴でも、そのままにしているとどんどん大きくなり、ついには堤防を崩してしまうことがあります。小さい問題の芽を摘むことが、大きな問題への最善の予防策になるのです。

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

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