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知らないと大変!ビジネス法則

業績悪化はトイレから歯止め 職場の蟻の一穴を許すな 第27回 割れ窓理論

2019/5/29

やがて、殺人などの凶悪な犯罪が多発するようになり、手がつけられなくなります。これが、犯罪学者G・ケリングとJ・ウィルソンが提唱する「割れ窓理論」です。

逆に言えば、治安の回復を願うのであれば、小さなところから手を打つのが、かえって近道になります。第17回で紹介した「ハインリッヒの法則」と考え方は同じです。

この理論を実践したのがニューヨーク市です。全米有数の犯罪都市から脱却するべく、警察官を5000人増員して、市内のパトロールを強化しました。そこで、落書き、未成年者の喫煙、万引き、騒音、交通違反、ホームレス、ポルノショップなどを徹底的に取り締まったのです。

その結果、5年間で殺人が68%、強盗が54%も減り、安心して歩ける街へと変貌することができました。この成功を契機に、日本を含め多くの国や自治体で「安心安全のまちづくり」に割れ窓理論が使われるようになりました。

■掃除から始める組織風土改革

割れ窓理論は、ビジネスでも応用できます。たとえば、小売店や飲食店など、接客サービスをする職場では、メンテナンスや清掃が行き届いていないと、従業員も顧客もモラルが下がってしまいます。さらに荒れてくると顧客が来なくなり、業績悪化へとつながっていきます。

ものづくりの現場も同じであり、昔から日本では「5S」活動が盛んです。いらないものを捨て、使いやすいように仕分けする「整理」。必要なときに必要なものがすぐ使えるようにする「整頓」。常に職場をきれいにしておく「清掃」と「清潔」。そして、決められた手順やルールを正しく行う「しつけ」の5つです。

もともとは品質改善活動の一環として、職場環境を維持することを目的として考えだされたものです。今では経営や仕事の管理全般で使われており、海外企業でも採用するところが増えてきました。

5つの中で、最近注目を浴びているのが清掃です。従業員全員による職場の一斉清掃を始める企業が増えているのです。トイレを含め、社長も一緒になって。

掃除という名の修練を通じて、勤勉、規律、感謝の心を育むのが狙いです。引いては作業効率、品質、安全性、顧客満足の向上などに寄与するようになります。しかも、全員で一緒にやることで、仲間同士の連帯感や協働の喜びが醸成できます。掃除すら一緒にできなくて、チームワークもへったくれもありません。

やってみたいと思った方、何はさておきリーダーを口説いてみましょう。リーダーが率先してやり続けるかどうかが、成功の最大のポイントとなります。

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