――「森友・加計問題」などは野党が厳しく追及していますね。景気回復もあまり実感できません。

長期政権のおごりや緩みの象徴のような不祥事が確かに相次いでいます。財務省の決裁文書の改ざんや自衛隊の日報隠蔽、最近では統計不正問題もありました。行政への信頼を損ないかねない問題ですが、政治家が司法の裁きを受けるような事件には発展していません。野党の国会審議での追及も政権を追い込むまでには至っていません。

与野党の議員からも「景気回復が実感できない」との声はよく聞きます。アベノミクスで大企業の収益や株価は回復しましたが、それが経済成長にまでは結びついていません。米中の貿易戦争や日米の通商交渉の行方といった不安な要素も増えています。安倍政権にとってこれまで追い風だった経済がマイナス要素に転じる恐れもあります。

――今年は夏に参院選があります。選挙結果はどんな影響がありますか。

4月の統一地方選は保守分裂となった一部の知事選を除けば、全体として与党の堅調ぶりが目立ちました。一方で4月下旬の2つの衆院補欠選挙で、自民候補はいずれも敗れました。選挙区ごとの争点があったとはいえ、直前に安倍内閣の閣僚や副大臣が失言で相次ぎ辞任した影響も出たと思われます。

夏の参院選に臨む首相にとって、最大の敵は「長期政権のおごりや緩み」ではないでしょうか。17年7月の東京都議選では、その前に閣僚や所属議員の失態が相次いだため、自民党は歴史的惨敗を喫しました。

自民党幹部は今年夏の参院選について「大勝した13年選挙の改選となる。10程度の議席減は覚悟のうえだ」と語っています。政権がすぐに追い込まれるような大きな苦戦は想定外ですが、油断すると情勢が一気に変わるのが選挙の怖さでもあります。

歴代1位の長期政権にたどり着くには、堅実な政権運営を続け、景気動向に細心の注意を払うことが最後の関門となりそうです。

ちょっとウンチク

長期政権、外交で存在感

長期政権の一つのメリットは、外交舞台での存在感だろう。安倍首相はトランプ米大統領やプーチン・ロシア大統領と太いパイプを築き、国際会議の場で意見交換を求める外国首脳も増えた。首相の党総裁任期は2021年9月末まで。党則改正で4選をめざすなら次期衆院選の時期とも絡む。

安倍政権がもし短期に行き詰まるとすれば、かつての橋本政権のパターンではないか。橋本龍太郎首相は日米同盟の強化や北方領土の対ロ交渉に取り組んだが、1998年の参院選で大敗して退陣した。国内景気の変調が主因とされ、自民党にとっては思い出したくない過去だ。(編集委員 坂本英二)

■今回のニッキィ
小川 めいこさん ケアマネジャー。仕事の関係もあり自宅で最期をみとる「在宅看取(みと)り」について考えることも多い。「最期は自宅でという希望をできるだけ反映できるよう心がけたい」
鈴木 正美さん 生保勤務。カラーコーディネートの資格をもとにイメージコンサルタントの起業を準備中。GWの10連休は夫婦2人でいろいろ話ができた。「1年に1度はこれくらいの休みもいい」

[日本経済新聞夕刊 2019年5月20日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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