技術の進歩は早い。ネット広告に関わるマーケターであれば、知っておくべき用語や新技術はますます増えている。アドテクノロジー(アドテク)の世界を把握するために今、何を知っておくべきなのか。ネット広告に詳しい先輩社員「ヒロセ」が新人社員「ユカ」にレクチャーする。

アドテクノロジーの現状と今後を見通すには、まずはネット広告の歴史からどのように技術が進歩をしてきたかを把握しておく必要がある
アドテクノロジーの現状と今後を見通すには、まずはネット広告の歴史からどのように技術が進歩をしてきたかを把握しておく必要がある
先輩社員「ヒロセ」
ネット広告やデジタルマーケティングに精通する先輩社員。新人ユカの教育係になった。見た目はクールだが、ネット広告の話になると熱くなって止まらなくなる。
新人社員「ユカ」
ネット広告会社に新卒で入ったばかりの新人女性社員。元気とやる気は人一倍あるが、難しい用語は苦手。ヒロセのボケに対して絶妙なツッコミをする。

今回から私が指南役になって、ネット広告の基礎知識を教えていくぞ。


よろしくお願いします! ビシバシやってください!


おおっ、やる気は十分のようだな。では質問。現在の国内のネット広告の市場規模はどの程度かな?


ええー、1兆円くらいですか?


なかなかいい線行っているぞ。電通の調査『2018年 日本の広告費』によると、国内のインターネット広告費は5年連続で2ケタ成長しており1兆7589億円だ。地上波テレビの1兆7848億円に迫る勢いを見せている。


テレビ広告を抜きそうですね。


19年は恐らくネット広告が国内最大の広告メディアになるだろう。何が成長ドライバーとなったのか。まずは歴史を振り返りながら、広告サービスの仕組み、広告主の広告に対する向き合い方の変化を見ていこう。


インターネット広告の始まり(1996年ごろ~)

 1996年4月に検索サイト「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始しました。同年6月に、電通とソフトバンクの合弁による日本初のインターネット広告専業の広告代理店「サイバー・コミュニケーションズ」が設立されました。この時に誕生したのが、画像付きの製品紹介をクリックすると広告主のサイトに飛ぶバナー広告(純広告)です。これが筆者が知る限り日本初のインターネット広告です。

 同時期には、「Infoseek」「goo」などの検索エンジンが誕生し、朝日新聞や日本経済新聞のような新聞メディアもWebサービスを開始しました。インターネット広告の掲載面が増えることに伴い、ネットの掲載面に広告を掲載する広告主も増えていきました。

1996年に登場したYahoo! Japanがバナー広告を取り扱い始めたことで、ネット広告の歴史が始まった(画像提供/ヤフー)
1996年に登場したYahoo! Japanがバナー広告を取り扱い始めたことで、ネット広告の歴史が始まった(画像提供/ヤフー)

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