筆記具で「私らしさ」演出 コスパと感動でヒット狙う
パイロットコーポレーションの伊藤秀社長
パイロットコーポレーションの伊藤秀社長
デジタル時代の今、手書き文字の良さが改めて見直され、文具が人気を集めている。筆記具大手のパイロットコーポレーションは創業100年。消せるボールペンや格安の万年筆などヒット商品を生み出してきた。伊藤秀社長は「筆記具は面白いモノを出せばコト消費とつながりやすい。コスパと感動を提供していきたい」と次のヒットをうかがう。
個人の好み、筆記具なら反映しやすい
――文具店が開くイベントは多くの客でにぎわっていますね。
「SNSを通して文具が今、面白いねとなっているのでは。こう言うと失礼かもしれませんが、ノートはそんなに個人の好みはないと思うんです。一方、筆記具は個人の好みがすごく出て話題になりやすい。こういう色よいね、この形が面白い、機能がよいねとか」
――若い人がおもしろがってくれる商品は?
「(書いた文字を消せる)フリクションはシリーズでいろいろ展開しています。ボールペンから始まり、蛍光ペンやサインペン、スタンプなど。新商品を出すたびに面白いねと言われています」
「あとはジュースシリーズ。水性ボールペンを中心にマーカーもあります。(真っ黒な紙の)ブラックノートも出して、それに書くと映えるパステル色やメタリック色も出して話題になっています」
――黒い紙に書いて何に使うんですかね。
「あんまりわからんですよ(笑)マツコ・デラックスさんのテレビ番組で取り上げられて話題になって。最近は分からないことが多いですね」
「日本は同じ筆記具が長く続くのではなく、変わっていく市場性があります。みんなが持っているペンではなく、私なりのペンを持ちたいという傾向が出てきています。それが自己アピールにつながってくる。そういう時代になってきました」