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裏読みWAVE

静止画なのに絵が動く 錯視アートで異次元体験 編集委員 小林明

2012/8/10

図1 渦巻きに見えるがすべて同じ同心円(フレーザーの渦巻き錯視)

図1を見てほしい。中心に向かって反時計回りに入り込む渦巻きが見えているだろうか。

ところが、実際にこれらの曲線を指先でなぞると、すべて同心円だという事実に気が付くはずだ。これは「フレーザーの渦巻き錯視」。1908年に英国の心理学者、フレーザーが発表した錯視の傑作である。

錯視の本格的な研究は19世紀半ばから始まったが、最近のIT(情報技術)の進歩などを背景に多くの作品が発表され、愛好者が急速に増えている。お金をかけずに異次元を体験できる“節約型娯楽”としても人気が高いようだ。

            

そこで今回は、思わず引き込まれる様々な種類の錯視画像をまとめて紹介しよう。(画像は拡大して見ると錯視の効果がより強くなります)

■ウサギが回る!

図2 画像を近づけたり離したりするとウサギが円上を浮遊する(ウサギの浮遊錯視)
図3 画像を近づけたり離したりすると輪飾りが浮遊する(輪飾りの浮遊錯視)

図2はウサギが円形に4列並んでいる画像である。

黄色い中心点を見ながら、顔を近付けたり、遠ざけたりするとどうなるだろうか?

それぞれのウサギの列が、なぜか互い違いに回っているように見えるのだ。画像に顔を近付けると、たとえば最も外側のウサギの列は時計回りに回転し、すぐ内側の列は反時計回りに回転しているように見える。これを「浮遊錯視」と呼んでいる。

図3はクリスマスなどによく使う輪飾りの画像である。

中心点を見ながら、顔を近付けたり、遠ざけたりすると、輪飾りがグルグルと動き始める。これらは東京大学大学院の新井仁之教授が数学を駆使してコンピューターで作成した錯視画像。影の濃淡や線の向きなどに錯視が起きる成分が入っているそうだ。

■「動く錯視」の出発点は?

図4 画像を斜めに動かすと円形と外側が別々に動く(オオウチ錯視)

「動く錯視」の実質的な出発点になったのが「オオウチ錯視」(図4)だと言われる。これは、90度角度が異なる市松模様を組み合わせると、中央の円形の部分とその外側がそれぞれ違う向きに動いているように見えるデザインのこと(外側が止まっていて、中央の円形の部分だけが動いているように見える場合もある)。特に斜め方向に動かすと、錯視が起こりやすくなる。

立命館大学の北岡明佳教授によると、ドイツの視覚研究者スピルマンらが1986年に日本人デザイナー、オオウチハジメさんの著書の中で発見したらしい。

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