この数年でビジネスバッグは様変わりした。パソコンが収納できるタイプはもちろん、スマホからペットボトルまで分類して入れられる機能重視の品が増えてきた。東日本大震災以降は両手が自由なリュックが市民権を得て、ビジネスバッグでもカジュアル化が一段と進んでいる。令和元年、働く男たちはどんなかばんを選ぶべきか。服飾評論家の石津祥介さんと向かったのは松屋銀座(東京・中央)。紳士部MD課長の鈴木健一さんを交えて、おすすめの品を語り合った。
<<令和元年のビジネスバッグ(下)ダークスーツにリュックはいかがなものか
――品ぞろえで一番多いのはブリーフケース型ですが、タイプはさまざま。品定めの際には何を重視すべきでしょうか。
石津「当然のことながら、今の自分の仕事に合う、使いやすい商品を選ぶことです。同じ会社の同期であっても、総務と営業では仕事の中身が違う。自分の仕事にとって一番必要な機能は何なのか、を見極めるべきです。その後に、軽いのがいいのか、高級感があるのがいいのか、と考える。この際リュックにしてみようか、とかね。まず、何を入れるのかをはっきりさせないといけない。洋服のように色や形だけで決めると失敗しますよ」
■できる限りシンプルなバッグがいい
――鈴木さん、ブリーフケースでいま人気のブランドは。
鈴木「トゥミが強く、フェリージやサムソナイト、エース、ポーターも売れています」
石津「革のバッグでは特に軽いタイプを持ちたいよね。このレザーを使ったブリーフケースはシック。サムソナイトですね。男性のビジネスバッグは黒が圧倒的ですが、みんなが持つ色のかばんは嫌だという人はグレーにしたり、ネイビーにしたりすると印象が変わりますよ。僕はネイビーかな。(モデルさんに持ってもらう)うん、バランスがいいね。このブリーフケースは形に柔らかさがあります。真四角というのは昭和のサラリーマンぽいですが、丸みがあって角が立っていないから、今の時代に合いそうだ」