2012/8/14

イチからわかる

活用法は? 飼料や肥料、使い道多く

日本でとれるカタクチイワシはいくつかの回遊ルートで北海道以南の沿岸に生息しています。おなじみのシラス干しやチリメンジャコはカタクチイワシの幼魚です。煮干しの加工は全国各地で行われ、漁港に近い加工施設で湯を沸かしてカタクチイワシの水揚げを待つほど鮮度を大切にして作られます。

山口県周防大島町浮島のカタクチイワシ漁風景=安平秀行さん撮影

カタクチイワシはニシン目という大きなグループに属しています。このグループに属するマイワシ、ウルメイワシなども含むイワシ類は縄文時代から食用にされ、奈良、平安時代には干物などの加工品も作られていました。江戸時代には食用よりも農作物の肥料として大量に用いられるようになり、コメ、綿、ナタネなどの増産をもたらしました。イワシがどれだけたくさんとれるかが国の経済にも影響を与えるほどでした。

イワシは現在も肥料の原料、養殖魚や家畜のエサなど多くの用途があり、利用価値の高い重要な水産資源です。近年、生活習慣病の予防に効果があるとして注目されるドコサヘキサエン酸(DHA)を豊富に含む食品としても見直されています。

(東京都公立中学校講師 小林真理子、実験・撮影協力=泉田謙、仮説社)

[日本経済新聞朝刊ニュースクール2012年3月31日付]

土曜の日経朝刊ニュースクール面で隔週で連載中の「おうちで理科」から夏休みの自由研究に向く記事をセレクト。家庭にある身近な材料を使って、簡単ですぐできる実験や観察を8月13~19日に毎日1つずつ紹介します。
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