活用法は? 膨らますお菓子いろいろ
ポップコーンはとても古くから食べられていたようです。紀元前3600年ごろの米国ニューメキシコ州の遺跡からその跡が見つかっています。安くて、食べるときにあまり音がしないことから米国では20世紀に映画を見ながら食べるスタイルが広がりました。日本でも第2次世界大戦後によく食べるようになりました。
ポップコーンは加熱すると爆発的に膨らみますが、トウモロコシのほかにもこういったお菓子があります。例えば、お米が10倍以上に膨らんだ「ポン菓子」です。つくるときには、硬いデンプンのかわりに特殊な容器を使い、周りから圧力をかけて水蒸気が膨らむのを押さえつけます。限界まできて一気に爆発してポン菓子ができるのです。
こうした容器を使えば、ポップコーン用でない普通のトウモロコシでも、一度粉にしてかためた穀物でも、膨らませることができます。膨らませることでサクサクとした軽い食感のお菓子になります。米のポン菓子にチョコレートをまぶした「ライスチョコ」、大麦を使った「麦チョコ」など、お菓子売り場にはこのしくみを利用した商品が並んでいます。
(埼玉県公立高校講師 桜井順子、実験協力=仮説社)
[日本経済新聞朝刊ニュースクール2012年6月23日付]
土曜の日経朝刊ニュースクール面で隔週で連載中の「おうちで理科」から夏休みの自由研究に向く記事をセレクト。家庭にある身近な材料を使って、簡単ですぐできる実験や観察を8月13~19日に毎日1つずつ紹介します。