ライフコラム

梶原しげるの「しゃべりテク」

冠婚葬祭のNGワード 忌み言葉に潜む「赤っ恥地雷」

2019/5/9

結婚披露宴でのスピーチは言葉選びにデリケートな気遣いが求められる。 写真はイメージ =PIXTA

先の10連休に、友人や知人の結婚披露宴に出席した人がいたかもしれない。いそいそ出掛けた人もいれば、「あーあ」とため息をつき、暗い顔をして当日を迎える人だっていたはずだ。

人前が苦手なのに、友人代表のスピーチや司会進行をと、とんでもないことを要請された人はさぞや憂鬱な日々を過ごしたことだろう。「嫌なものは断れ」と言うのは簡単だが、浮き世の義理でそうもいかないときがある。

「職場仲間の披露宴ぐらいならなんとかなりそうだ」と甘く考えてはならない。新郎が「将来の出世のために」と、苦手な上司から、普段あまり接点のない職場の偉いさんまで招待していることがわかり、真っ青になったが、時すでに遅しといったケースだってある。

■忌み言葉回避に四苦八苦

切羽詰まった若者が手にした「指南書」がさらに追い詰める。たとえば「忌み言葉を避けよ」という教えは実用的である半面、言葉選びを難しくさせてしまう(以下の例示、引用では、記事末に挙げた、複数の冠婚葬祭関連の書籍を参考にした)。

忌み言葉とは、結婚生活のめでたさを打ち消すような「別れ」のイメージにつながる「切る、割れる、離れる、辞める、終わる、帰る、戻る、冷める」などのほか、「再び、重ね重ね、またまた、再三再四」など「再婚」を想起させるものを含む。

ケーキは常に「入刀」であり、「カット」や「切った」は使えない。新婦は結婚を機に会社を「辞める」のではなく、職場を「去る、離れる」のでもない。「新しい人生のスタート」は「切る」のではなく、「人生をスタートさせる」と言うことを求められる。

来賓への言葉にも、注意が必要だ。「どうぞお料理は冷めないうちにお召し上がりください」ではなく「熱いうちに、温かいうちに」。「これから鏡割りです」ではなく「鏡開き」。「そろそろ終了のお時間」ではなく「お開き」。外への誘導も「出口へ進みください」ではなく、「お開き口へ」となる。最初から最後まで気が抜けない。

こういう公式な場面に不慣れな身にとっては、これだけでいっぱいいっぱいになりそうだ。しかし、面倒な「変換作業」はこれだけでは済まされないというのだから大変だ。

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