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知らないと大変!ビジネス法則

根拠なき自信を語る部下 使い方次第では宝にも 第24回 ダニング・クルーガー効果

2019/5/8

すると、成績が悪い学生ほど自分の順位を高く見積もりました。成績がよい学生は正しく、もしくはわずかに低く見積もるという傾向が見られました。これを、発見者の名前を取って「ダニング・クルーガー効果」と呼びます。2000年のイグノーベル賞を射止めた心理法則です。

さらに二人は、「なぜ能力の低い人間は自身を素晴らしいと思い込むのか」(Wikipedia、以下同様)も調べました。その結果、能力が低い人間には、「自身の能力が不足していることを認識できない」「自身の能力の不十分さの程度を認識できない」「他者の能力を正確に推定できない」という特徴があることが分かりました。

つまり、自分や周囲を俯瞰(ふかん)的に見る、「メタ認知」ができないわけです。身も蓋もない言い方をすれば、能力が低い人は、その低さゆえに、自分を客観的に見る力すらない。だからこそ能力が低いわけです。

逆に、能力が高い人はメタ認知ができるので、「自分ができた課題くらい、他人もできるだろう」と推測したわけです。さすが、優秀な人は自分をわきまえていますね。

■無知を知る勇気を持つ

ダニング・クルーガー効果から抜け出すには、一体どうしたらよいのでしょうか。

一つは、当たり前の話ですが、客観的な評価に触れる機会を増やし、自分の認知のゆがみを正すことです。2人の研究でも、「その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自分の能力の欠如を認識できる」ことが分かっています。

その時に大切なのは、自分の無知や無能を素直に受け入れることです。背伸びをするのを止めて、分からないものは分からない、できないものはできないと。

無知や無能は決して悪いことではありません。伸びる余地がある証だからです。失敗にしても、途中で諦めなければ、成功への一里塚です。そんな風にポジティブに考えれば、都合の悪い評価も受け入れやすくなります。

もっと言えば、自分の無知を知っているというのは素晴らしいことです。かの有名な哲学者ソクラテスは、自らの無知を自覚することが真の知に至る道だと説きました。無知を知らないほうが、よほど恥ずかしいことなのです。

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